お題目化した「地球温暖化やLGBT」は不毛だ ベニオフCEOが悩む「高層ビルとホームレス」
そして、少人数で運営されており、雇用も生み出していません。アップルの社員も、その多くがアップルストアの従業員だったりします。
それはかつて「多国籍企業」と呼ばれながらも、やはり母国に対して莫大な税金を納め、大量の雇用を生み出していたGMやトヨタ、GEのような企業とは違います。
トマ・ピケティは『21世紀の資本』で、資本所得のほうが給与所得を上回ると述べ、GAFAのような企業からは、国際的な枠組みで税を徴収する仕組みを作るしかないと指摘しています。しかし現実には、企業側がそれに応じるわけがないという状況ですよね。
格差社会と「リベラル」経営者
アメリカでは、この結果が非常に端的に表れてもいます。シリコンバレーのお膝元・サンフランシスコでは、せいぜい20平米程度の1ルームで家賃が40万円にも高騰し、住宅の購入価格の中央値は、1億6000万円ともいわれる状態です。
ところが、そのサンフランシスコにはホームレスが非常に多く、町のあちこちを徘徊している。きらびやかなビルとホームレスの多さは、まさに格差社会の権化といったところです。
そもそもシリコンバレーの企業は、リベラル・民主党支持です。「LGBT」に理解があったり、グレタ・トゥーンベリさんを喝采して「地球温暖化」に賛同したり、最近では「BLM(#BlackLivesMatter:黒人への人種差別と暴力に対する抗議運動)」に声をあげたりする。
しかし、そのようなわかりやすい「リベラルのアジェンダ」にはすぐ反応するのに、足元の貧困には目を向けない。自分たちがサンフランシスコの地代を高騰させたことの結果が、ホームレス問題として現れているのに、それに対して目を向けようとしないのです。
ホームレスの中には、退役軍人も多かったりします。彼らはイラクなどの戦場に行き、過酷な体験をしている。しかし、帰国すると満足な手当てもなく、社会にはなじめず、ホームレスに転落してしまう人も少なくありません。
また、工場は海外移転してしまい、空洞化した地域では、もはやトレーラーハウスに住むしかないというひどい貧困もあちこちで起きています。それでも、リベラルなシリコンバレーの人たちは何も言及しません。アメリカでは、そこに対する怒りが根強く、それはトランプ大統領の誕生にもつながっています。
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