オンライン会議を制する人が実践する工夫4つ リアルと同じ生産性には「できる限り顔出し」

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参加者への個別対応で「ツールに不慣れ」を解消する

そもそも現状では、オンライン会議に大きな抵抗感を抱く人が多くいるのは否めません。理由としては「操作がよくわからない」「覚えるのが面倒」だという人が多いようです。

会議が始まってから、ログインできない、音が聞こえない、画面が見えないといった人がいると、その人の対応に時間を取られ多くの人の時間を無駄にしてしまいます。

こういったことがないよう、ファシリテーターは、会議前にできる限りの準備をしておきます。

私は、会議開始の時間15分前に「会議室」を開場し、操作に不慣れ、不安な方向けにレクチャーする時間を取るようにしています。画面オンオフ、マイクオンオフ、チャット機能、画面共有方法等、基本的なことを教えるだけで随分と違います。きちんと画面が映っているか、音が聞こえるか等通信環境の確認もします。ログインできない、などもよくあることですので、この時間でなるべく解消するようにします。

また、会議のオープニングでは念のため基本操作や通信環境の確認を全員と行います。アイスブレイク代わりに1人ずつ軽く話してもらいながら確認するのもいいでしょう。こういったことをある程度時間をとって対応することも当面は必要ではないかと思います。

意識的にこまめに「伸び」を

 15分に1回の「伸び」でリラックス状態をキープする

オンライン会議は最初慣れないこともあり、リアルな会議より疲れを感じることがあります。画面を注視することで、同じ姿勢になりやすいのも原因の1つかもしれません。

リアルな会議では1時間以上の会議でない限り休憩をとることはありませんが、オンラインではこまめに伸びを意識的にして、なるべくリラックスした状態をキープできるようにしましょう。ファシリテーターが「少し伸びしましょうか?」と声がけし、15分に1回程度軽く伸びを参加者全員でするように促したいものです。

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Sansan などデータで名刺管理するサービスを提供する会社が「オンライン上で名刺交換できるサービス」をリリースしています。初対面の場合、名刺をもらうと「お付き合いが始まるな!」という気持ちになるので、活用してみるといいかもしれません。

これからの時代、新型コロナウイルスが収束したとしても会議のオンライン化はますます進んでいくでしょうから、インターネットに不慣れだという人でもオンライン会議に慣れていく必要があります。ぜひ良質なオンライン会議を行うために、ここで挙げたポイントを参考になさってください。

園部 浩司 人材育成・組織風土改革コンサルタント/研修講師/プロファシリテーター

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そのべ こうじ / Koji Sonobe

新卒で入社した会社でマネージャーに昇格した際、プロジェクトメンバーとの 関係悪化を経験。これを機に試行錯誤を繰り返し、「メンバーの育成」と「成果」の2軸にフォーカスするチームマネジメントを実施。300名在籍の組織変革プロジェクトリーダーをつとめ、1年間で約2億円の営業利益の改善に導く。2016年に独立し、人材育成や組織改革、風土改革のコンサルティングを行う「園部牧場」を設立。ベンチャーから大手企業までのチームプロジェクトを仕切るほか、年間2500人以上のチームリーダーやファシリテーターの育成に携わる。指導した人数は、延べ2万人を超える。

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