オンライン普及後の大学の未来はどうなるのか――。
10月15日配信記事「大学は『オンライン化』で根本的に変わっていく」では、授業のオンライン化が大学に及ぼす影響について述べた。ここではオンライン講義は、教室での従来の講義を単にオンラインに置き換えただけのツールではなく、大学の教育改革・入試改革に結びつく重要なテーマであること紹介している。
今後、オンライン授業が教育の多数派(マジョリティー)となっていく場合、あらゆる授業は場所や時間を問わずに受講できるものとなる。たとえば、キャンパスは日本にありながら、世界中の学生が“来日することなく”日本の大学に留学したり、日本の学生がアメリカやイギリスの大学の授業を受講したりといったことが容易になる。つまり、入学した大学の授業だけを受け続けるという必要性は理論上、皆無となると言ってよい。
オンライン化によって学生が世界中の教授の講義を受講できるようになると、学生たちは、複数の大学で同一または類似のテーマの講義を展開している場合、自分にとって「最も良い授業を調達」するようになるだろう。そうなると次の2つのテーマが議論される。第1に単位、第2に教員の存在意義である。
学生は“最も良い授業”を幅広く調達
まずは単位についてみてみよう。近年、他大学の科目を履修して、それを単位として認定する動きが広がっている。留学先の授業を学問体系に基づいたナンバリングなどを活用することによって単位認定するといったことは以前から行われてきた。
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