iPhone悲願「PASMO対応」生活はどう進化する アップルはSuicaで大きな成功を収めたが…

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またベイリー氏は、コロナ禍においては非接触ICによる決済は、感染拡大防止に役立つと指摘した。実際、改札やコンビニでSuicaやPASMOのカードを利用する際、タッチしなくても、近づければ反応してくれる。これはiPhoneやApple Watchでも同様で、自分のデバイスを不特定多数が触れる可能性がある改札などのリーダー部分に接触させる必要はない。

iPhoneのバッテリーがなくなったら?

iPhoneにSuicaやPASMOを設定する際の不安として、電池がなくなったときにどうするのか?がある。

解決策としてアップルはiPhoneに予備電源を用意した。iPhone XS・XR以降では、生体認証を回避するエクスプレスカード設定をしたPASMO・Suicaについて、本体の電源が落ちて起動しなくなってから最大で5時間までは、引き続き利用することができる。例えば夜、帰りの電車の中でiPhoneの電源が落ちてしまっても、予備電源対応モデルであれば、改札を通って家に帰ることができるのだ。

チャージのしやすさも向上した。オートチャージ設定をしていなくても、鉄道に乗ったときにiPhoneに通知が届き、残高がロック画面に表示される。そこで残高が少ないと思ったら、通知をタップすればすぐにチャージできる画面が開く。

またiOSのマップで経路検索をした際、価格運賃とiPhone内のPASMO・Suicaの残高が不足している場合、その旨が表示され、経路表示からチャージ画面を開くことができる。このあたりは、クレジットカードと違い、チャージしながら利用する交通系ICカードの体験をよく踏まえた設計を感じる。

最新の数字では、日本のスマートフォン市場におけるiPhoneの比率は6割で世界トップとなっている。StatCounterによると、およそ63%をiOSが占めている。特にApple Payの視点からすると、日本、とくに首都圏は、世界の中でも重視すべき都市圏であり、決済体験の充実に引き続き力を入れていくことになるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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