通勤定期、出勤自粛で「払い戻しラッシュ」に? 緊急事態宣言から有効期限1カ月あればOK
東京・秋葉原と茨城県のつくばを結ぶ鉄道路線、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道で、4月10日にちょっとしたトラブルが発生した。秋葉原駅、つくば駅などの定期券発売所で現金による定期券の払い戻しができなくなったのだ。
同社によれば、4月9日に通勤定期の払い戻しを求める利用者が増えたという。その日はすべての利用者に対応できたが、翌日の払い戻しに対応できるだけの現金がないと判断。そのため、10日は朝から現金での払い戻しを中止すると決めた。その後、払い戻しの態勢が整い、10日16時に再開した。なお、クレジットカードで購入した定期券については、クレジットカードでの払い戻しとなるため特段の問題は生じていない。
「現金での払い戻し件数は確認できていないが、相当数あった」と同社担当者は話す。例年3月、4月は払い戻しを求める客が増える時期だが、同様に定期券を購入する客も多く、例年であればこの時期は各販売所に十分な現金があるはずだった。
定期券払い戻しの動きが加速
緊急事態宣言発令下におけるテレワークの奨励で、通勤定期券の買い控えだけでなく、払い戻しの動きも出てきた。定期券の払い戻しは結構な金額になる。例えば、秋葉原―つくば間の通勤定期6カ月の価格は23万3820円。6カ月定期を持つ人が5カ月分を払い戻す人が仮に5人いたとしても、相当な現金が流出する。
新型コロナウイルスに関連した首都圏の鉄道各社における定期券払い戻しの対応は早くから見られていた。2月27日、政府は全国すべての小中高校などに3月2日から春休みに入るまでの臨時休校を要請した。春休みに入るまでということは、通学定期券を利用する学生たちは新学期に入るまで通学しないことになる。
これを受けて、鉄道各社は2月28日を最終登校日とみなして、その翌日から有効期間終了までの日数が1カ月以上残っている場合は、定期運賃から使用月数分の定期運賃と手数料を差し引いた金額を払い戻すという対応を取った。ただし、最終登校日以降に当該通学定期券が使用されている場合は対象外となる。
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