iPhone悲願「PASMO対応」生活はどう進化する アップルはSuicaで大きな成功を収めたが…
日本上陸の際、アップルは日本向けのiPhone 7とApple Watch Series 2 にのみ、FeliCaチップを搭載することで、Suicaだけでなく、コンビニなどに広く普及していたクレジットカードの非接触ICサービス、iDとQUICPayに対応した経緯がある。
【2020年10月7日8時30分追記】初出時、Suica対応のApple Watchのシリーズ名に誤りがありましたので、上記のように修正しました。
ハードウェアを専用に開発してでも、アップルにとって、日本市場への参入は魅力的だった。その最大の理由は、トランザクション(決済)数の多さにある。人々の移動で毎日のように利用し、日々の買い物にも広く普及している電子決済手段交通系ICカードであり、取扱高だけでなく、安心して交通系ICカードを使う環境を整えることで、iPhoneやApple Watchへのロイヤルティを高めることもできるからだ。
進化した3つのポイント
Apple Payは2016年にSuicaに対応しており、すでに全国で交通系ICカードとして利用されている。PASMOとも相互に互換性があり、JRでもPASMOが利用でき、東京メトロでもSuicaで乗車できる。ではなぜ、PASMOもApple Payに対応させたのか?
「Suicaは非常に大きな成功を収めていますが、PASMOユーザーも多く、彼らに対してよりよい体験を提供する必要があると考えました。もちろんPASMOはSuicaと同じ場所で使うことができます。しかしApple PayにおけるPASMO体験には、何の制限もありません。カードを作る、チャージすることはもちろん、もう列に並んで定期券を購入・更新する必要もありません。またバスの定期券も利用することができます」(ベイリー氏)
ベイリー氏によると、Apple Payによってできるようになったことは主に3つある。
まず1つ目は、これまでPASMOで利用していた定期券をiPhoneに取り込んだり、私鉄・地下鉄各線、さらにバス路線の定期券を新規で購入することができるようになった点だ。特にバス路線の定期をiPhoneやApple Watchで実現したのは今回が初めてとなる。
もし手元にPASMOカードがあれば、Walletアプリから新たなPASMOカードを登録する操作の際、iPhoneをかざして情報を読み取ることで、残高や定期券の情報をiPhoneに移すことができる。
PASMOの新規発行は、iOSのWalletアプリを使うか、新たに用意されたiPhone向けPASMOアプリを利用する。後者の場合、記名カードを発行できるほか、初期の残高0円でも発行することができるため、クレジットカードを持っていない人や、現金でチャージしたい人も安心して利用できる。
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