「PCR受診で住宅ローン借りられない」説の真実

団信「告知義務違反」の誘惑と違反者の末路

PCR検査を受けると、住宅ローンが借りられない? コロナ禍をきっかけに広がっているウワサの真相を、FPが回答します(写真:mits/PIXTA)

住宅ローンを借りるとき、銀行や住宅金融支援機構は借り主に生命保険をかけます。この際の保険を「団体信用生命保険(団信)」といいます。

この団信について最近、「PCR検査を受けると住宅ローンの団信に加入できない」という話を耳にしました。ある記事では「PCR検査自体は団信加入に問題ない」と結論づけていましたが、本当でしょうか。

そもそも団信は何のためにあるのか

団信の目的の1つに、借り主の遺族に借金が残らないようにすることがあります。例えば、働き盛りのお父さんが亡くなり、妻と子供が住宅ローンを引き継いで支払わねばならないケースが存在しえます。

一般的に、借金を残して家族が亡くなった場合、(1)プラスの財産を上限に借金も引き継ぐ「限定承認」、(2)借金やマイホームなど財産の一切を相続しない「相続放棄」、という2つの選択肢があります。団信をかけておくことで、借金というマイナスの財産が存在しなくなるので、遺族は安心してマイホームに住み続けることが可能です。

一方、お金を貸す金融機関にとっていちばん困るのは、住宅ローンの返済が行われなくなること。遺族が住宅ローンの支払いに窮するようでは、債権の管理上困りますし、回収不能になってしまえば、金融機関の財務諸表に小さいながらも傷がつきます。

そうならないように、金融機関自らが保険料を負担することで住宅ローンを借りる際の条件となっているのが、団信なのです。遺族の味方か、金融機関の味方か、判断が難しいところです。

(※ 住宅金融支援機構の提供する「フラット35」では、団信加入は任意となっています。また、一部の金融機関では団信なしで住宅ローンが借りられる措置もあります)

ここで話を本題に戻しましょう。「PCR検査を受けた場合に住宅ローンが借りられなくなる」という話の真偽ですが、借りられないケースも出てくると考えられます。

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