「PCR受診で住宅ローン借りられない」説の真実

団信「告知義務違反」の誘惑と違反者の末路

就労不能を原因として団信を活用し、住宅ローンの支払いを1年免除してもらう場合、医師の診断書を提出する必要があります。医師が診断書を書けば、住宅ローンを借りる前からの通院履歴が記載される可能性があり、告知義務違反とばれてしまうのではないか、ということでした。

本件について、筆者は複数の金融機関に問い合わせをしてみました。情報が少ないこともあり明確な回答は得られませんでしたが、あるネット銀行からは「告知義務違反の場合は残債の一括返済となる」との回答がありました。

Bさんは、(1)メンタル不調に伴う団信活用を見送る、あるいは、(2)ダメ元でメンタル不調に伴う団信活用に挑戦する、という2択で悩んでいました。おそらく今も悩んでいるでしょう。Bさんの場合はご自身が悪いので、根本的な解決策がなく、苦しい状況です。客観的に見れば、住宅ローンの一括弁済の可能性がある(2)の選択肢を選ぶ可能性は低そうですから、(1)を選択されるのでしょう。

世の中には団信の告知義務違反をするかどうかで悩んでいる人が相当いらっしゃるようなので、今回記事にすることにしました。団信の告知義務違反により不幸のリスクを抱えたままの住宅購入がいいのか、住宅購入という夢を諦めるのか、その人の人生観が問われます。筆者も自分事であれば、告知義務違反をしない自信はありません。

団信に加入できなくても住宅ローンは借りられる

もちろん、団信に加入しなくても住宅ローンを借りる方法はあります。「住宅金融支援機構のフラット35を利用する」「銀行に団信なしで住宅ローンを貸してもらう」といったものです。

住宅金融支援機構のフラット35は、団信への加入が任意となっています。したがって、そもそも団信に加入しないという方法を選択できます。

また銀行によっては、事情を話せば団信なしで住宅ローンを貸してくれる場合があります。その代わり、借り主死亡の際は住宅ローン返済義務が遺族に引き継がれます。

上記と併用する選択肢として、民間の生命保険を活用するという方法があります。最近は少なくなりましたが、独身の方で死亡保険金3000万~4000万円の生命保険に加入している人がいます。この生命保険を団信代わりに活用することが可能です。住宅ローンの借り入れを生命保険の保険金額の上限内に収まるようにすればいいのです。

最近は、メンタル不調のために、若い人でも団信を含めた生命保険に加入できないケースを散見します。そのような場合に、若いころには加入の意味がないと思っていた生命保険を活用することができるのです。ただし、最近の生命保険は高額の死亡保障を若者に販売することが少ないので、団信代わりにならないこともあります。

本稿を読んでいる人は、団信の告知義務違反を検討している人、告知義務違反をした人、住宅ローンの融資担当者、不動産会社、親や配偶者が住宅ローンを借りようとしている人など、多岐にわたるでしょう。

関係者の皆さんには団信の告知義務違反を軽く考えず、お客様とご家族を守る最後の砦だという認識で取り扱っていただけるとうれしいです。いつの時代も、泣くのは弱い立場の人です。ご家族を弱い立場に追い込まないよう、団信は正しく告知をして加入してください。

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