収束まで子どもに会えない離婚親の悲痛な叫び

離婚後の子の不幸は同居親への遠慮から生じる

都内在住の杉山真帆さん(仮名、48歳)は、小学生のころに両親が離婚。母親のもとで育った。昭和の時代、面会交流などは一般的でなく、父親とは会わずに過ごした。しかし高校生になり、父親に会ってみたくなって母親に相談。母親は渋りながらも連絡をとってくれ、父親との再会を果たした。

「父はすでに別の家庭をもっていましたが、私はそんなに気になりませんでした。本をたくさん読んでいて大人びた子どもだったせいか、私って小説のヒロインみたい、と思ったくらい(笑)」

会ってみたいと思ったのは、どんな人だか自分の目で確かめたかったから。母親から聞く父親像は、「わがままで自分勝手で見えっ張り」。でも、本当はどうなのか。思春期に入り、母親に対し、女同士だからこその反発心も芽生えていた。

「母親の言葉だけを鵜呑みにするわけにはいかないと思ったんですよね」

実際の父親は、極悪人ではなく、悪いところもあればいいところもある普通の人だった。「確かに母親とは合わないな」ということだけは、よくわかった。それで真帆さんは、なんとなく納得した。

細々と交流が続き、父親は10年ほど前に亡くなった。

「亡くなって思うのは、もっと頻繁に会っていればよかった、ということ。どうしても母親に遠慮する気持ちがあって、会うのを控えてしまっていました。大人なんだから、会っても報告する義務なんてないのに、なぜか正直に言わなきゃと思い込んでいた。子どもって、同居親の気持ちを過剰におもんぱかるところがあります」 

子どもへの甘え、その先に虐待も

幼い子どもは全身で親を求めてくれるから、つい親は子どもの愛に甘えてしまう。他人にはとても言えないような言葉や態度で子どもを叱ってしまうのも、こんなにしても子どもは親を好きでいてくれる、と思っているから。愛していれば何をしてもいい、子どもは私の気持ちをわかってくれるはずだ。その甘えの先に、虐待があることもある。

子どもが会いたいと言わないからそれでいい、としている同居親は多い。しかし、「子どもの本当の気持ちに気づいてほしい」と真帆さんは言う。会いたいけれど、言えないのかも。会いたいと思ってしまう自分を責めて、口をつぐんでいるのかも。嫌いになれば、自分も同居親も楽だから、無意識にそうしているのかも……。

「もちろん、子どもは会いたくても、別居親のほうに子どもへの愛情が欠けているケースもあります。でも、その事実も踏まえたうえで、子どもは自分で親への思いに決着をつけたほうがいいと思うんです。不自然に妨げられると渇望だけが募り、子どもはなかなか親から卒業できません」

親子の「コロナ断絶」で不幸になる子どもが1人でも少なくなるように。真帆さんは心から願っている。

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