2000万人が遊ぶ「障害物ゲーム」ただ1つの弱点 「FallGuys」目下の課題は荒れ狂うチーターたち

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僕もエイムがあまり得意なほうではなく、フォートナイトをプレイしても面白さがわからず脱落してしまった。どうしてもバトルロイヤル形式のゲームには高いプレイスキルを求められるシューティングのイメージが強く、それ以降は触れてこなかった。

しかし、Fall Guysはとても気軽に遊ぶことができ、大味ではあるものの、オンライン上で大人数で遊ぶゲームの面白さというのを実感できた。

ただ、バトルロイヤル形式のゲームの常だが、最終的に勝つのは1人なので、いろいろなアクシデントが発生して負けることを楽しめる人でないと、無用のストレスを抱え込んでしまう可能性もある。

ゲームにも「見栄え」が大事

そうした意味で、負けてもわいわい楽しめるゲーム性は実況プレイとの相性がよく、実際に多くのゲーム実況者が配信を行っている。僕自身、このゲームがはやっているのを知ったのは、VTuberの実況配信がきっかけである。

色合いもポップでかわいらしいキャラクターが飛び跳ねたり転んだりするFall Guysはとても動画映えする。地味な見た目だがやりがいのあるゲームが、ゲーマーによって口コミでじわじわ拡散するということもあるが、やはり見栄えのいい画面を動画で見て、パッとわかってもらうほうが、ゲームの楽しさは伝わりやすいのだろう。

数多くのゲームが、その存在にすら気づいてもらえず消えていく中で、Fall Guysは見事に自分の存在を世に示すことができた。やはりゲームにも見栄えは必要だなと感じた一作である。

赤木 智弘 フリーライター

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あかぎ ともひろ / Tomohiro Akagi

1975年栃木県生まれ。2007年にフリーターとして働きながら『論座』に「『丸山眞男』をひっぱたきたい――31歳、フリーター。希望は、戦争。」を執筆し、話題を呼ぶ。以後、貧困問題などをテーマに執筆。主な著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』などがある。

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