2000万人が遊ぶ「障害物ゲーム」ただ1つの弱点 「FallGuys」目下の課題は荒れ狂うチーターたち

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つまり、このゲームで勝つには「運の要素」が大きい。しかしプレイスキルがまったく無関係というわけでもない。ステージが進んでプレイヤーが少なくなるとアクシデント要素は少なくなり、ここでスキルの差が表れてくる。

だから、慣れていないプレイヤーでも決勝に行けるチャンスはあるが、優勝を勝ち取ることはかなり難しい。僕も数十回ほどプレイしたが、なんとか1回だけ優勝することができた。

ゲーム内をのさばる「チーター」たち

さて、今も盛り上がっているFall Guysだが、この盛り上がりが今後も続くかどうかと言われると、微妙である。

まずPS4版については、やはりPS Plusでのフリーダウンロードが終了したことが挙げられる。価格は2090円と決して高いゲームではないのだが、8月の無料配信期間中にダウンロードし損ねた人が気軽に買える価格かというと、そうは思えない。

また、PC版では「チーター(ゲームをハッキングし不正を行うプレイヤー)」の横行が問題となっている。キャラクターの移動速度が上がるチートや、空中浮遊するチート。そして開始直後にゴールすることができるチートなど、ズルをしてまで優勝したいプレイヤーが多くのさばっている。

ただでさえ勝利しにくいゲームで、優勝をチーターが楽々かっさらっていくのでは、真面目なプレイヤーが興ざめするのも仕方がない。僕はPS4版でプレイしているが、チーターはさっぱり見かけないので、素直に楽しみたい人にはPS4版をおすすめしたい(ただし開発チームの「Mediatonic」は今後、さらにチート対策を拡充するとも発表しているので、そちらにも期待したい)。

また、チートとは言えないが、大半のプレイヤーがシングルプレイの中、あえて徒党を組んで妨害行為を働く人たちもいる。ステージの形状をうまく利用すれば、妨害者たちを回避することもできなくはないが、「スライム・クライム」の太い丸太の上など、回避できない場所で待ち伏せされると対処のしようがない。

ミニゲームは執筆時点では25ステージ用意されているが、中には決勝専用のステージなどもあることから、思ったよりバリエーションが少ない印象だ。連続でプレイすると「またこのミニゲームか」と思うこともしばしば。

とくに「ロールアウト」はなかなかライバルプレイヤーが脱落しないので、クリアまでの時間が長く、しかも耐久レースなのでずっと落ちないように操作し続けなければならず若干、うんざり感がある。

こうしたことから、チーター対策はもちろんだが、ミニゲームのリニューアルや、新しいミニゲームの追加を積極的に行っていけるかどうかが、今後のFall Guysの盛り上がりを左右するだろう。

次ページFall Guysを「楽しめる人」「楽しめない人」の差
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