浦沢直樹の「アベノマスク」猛批判集めた理由 政治的スタンスと作品は分けたほうがいい

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なぜ、漫画家・浦沢直樹氏のツイートが多くの批判を集めたのだろうか(イラスト:浦沢直樹_Naoki Urasawa公式情報より)

4月2日に投稿された『YAWARA!』や『20世紀少年』などの作品で知られる漫画家・浦沢直樹氏のツイートが、「ファンだったのにガッカリ」「頑張っている人をおちょくっている」「今まで築き上げたものが一気に崩れ去る」など、多くの人たちの反発を呼び、話題になっている。

ツイートの内容は、「#アベノマスク」という言葉とともに、マスクをした安倍晋三氏のイラストを添付したもの。

どうしてこのツイートに批判が集まったのか? まずはその経緯から説明したい。

発端は「布マスク2枚配布」宣言

長引く新型コロナウイルス騒動で日本中が自粛ムードの中、多くの商業施設から客足が遠のき、売り上げも減ってきている。企業も労働者も今後の収益や収入の下落に不安が募る中で、政府には思い切った支援策が期待されている。

しかし僕がこれを書いている時点では、政府の新型コロナ政策はいずれも的を大きく外している。人々から最も期待されている支援策は、手厚い現金給付により、自粛や休業といった収入面のサポートを行うことである。

ところが政府の支援策は、子育て世帯のみを対象とした子ども1人当たり1万円の給付と、住民税の非課税世帯水準まで収入が落ち込んだ世帯を対象とした30万円の給付にとどまるなど、対象者はかなり限られている。これでは「感染防止のための緊急支援」や「落ち込む経済に対する支援策」というより、次の選挙を意識した自民党支持層へのバラマキにしか見えない。

また、コロナ収束後を見据えて「旅行券」や「お肉券」「お魚券」を発行するなどということも報じられた。その迷走ぶりに安倍政権に対する人々の不信は、日に日に強くなっている。

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