浦沢直樹の「アベノマスク」猛批判集めた理由 政治的スタンスと作品は分けたほうがいい

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そんな中、4月1日に安倍首相自身によって高らかに宣言されたのが「布マスク2枚配布」だ。わざわざ記者会見まで行って、布マスクを2枚配布するから、洗って繰り返し使ってほしいと言ったのである。

「カッコわるい映像」とツイートする江口氏(画像:江口寿史ツイッターより)

「アベノマスク」とも揶揄される支援策は、日頃から親安倍を標榜し、野党批判を繰り返すネット民に対してさえ深い失望を抱かせるのにも十分だった。

当然ツイッター上では安倍政権への批判が盛り上がっていた。その盛り上がりの中、『ストップ!! ひばりくん!』などで知られる漫画家でイラストレーターの江口寿史氏が、安倍首相が布マスク2枚を配布するという記者会見を「カッコわるい映像。※音声オンでご覧ください」と批判するツイートを投稿。

これに対して浦沢直樹氏が「笑」と反応し、問題のツイートを投稿したわけである。

本当に「揶揄するような表現」だったのか?

浦沢氏のツイートが多くの批判を集めたからには、絵に何か安倍首相を揶揄するような表現でもあったのだろうか? 風刺画ではよくカリカチュアライズ、すなわち身体的特徴の一部を誇張して表現するような手法が用いられる。これが揶揄的であると問題視する人もいる。

しかし、浦沢氏の描いた絵は、そうした手法を用いず、極めてシンプルかつ、誰に見せても安倍首相であると認識できるように描かれている。わざわざ揶揄するような表現を用いなくとも、十分に「カッコわるい映像」が伝わって、さすが人気作を多数擁するプロというほかない絵である。

事実だけを述べてしまえば、たったそれだけのことであるし、浦沢氏の絵はとくに反発を集めるような内容ではなかった。

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