結論からお話しすると、東大生は「失敗の解像度を高める」ことによって、本番力を鍛えています。
「失敗の解像度を高める」とはどういうことか
例えば、普段の勉強で問題を解いていて、ある問題を間違えたとします。多くの人は「ああ間違えてしまったな」「次からは気をつけようっと」と、ふわっとした状態でそのまま次の問題に進んでしまうでしょう。
しかし、本番力を高める訓練をしている東大生は違います。「これが試験本番だったらどうしよう」と考えて、「これと同じ問題が出たら、次はどうすれば間違えないだろうか?」「同じミスをして不合格にならないようにしないと」と、そのミスを深掘りします。
いったいどこで間違えていて、どこが不十分だったのか? 逆にどこまではわかっていたのか? そのミスをしたときの心理状態はどうだったのか? 失敗を2度と繰り返さないように、シビアに自分のミスと向き合うのです。
これは、「自分が本番に強いタイプである」と思い込んでいて、「合格できる」と考えている人ほど、おろそかにしてしまう行為です。
「自分は絶対東大合格できる」と語っている人ほど、不合格になりやすい……というのは受験業界の常識だそうです。そういう人ほど、試験本番でありえないようなミスをして、不合格になってしまう。失敗する自分を想定していないからこそ、失敗する可能性のある落とし穴を見つけることができなくなってしまうからです。
逆に「合格できるかな? ひょっとしたら不合格になるんじゃないかな?」と心配してしまう人のほうが、むしろ合格できる確率が高くなります。
その証拠というわけではないですが、どんなに成績がよくて、どんなに模試の判定でA判定が出ていた人でも、東大生は「合格できるかどうか、最後まで非常に不安だった」と語る「ビビリな人」が多いです。
もちろん、「自分はどうせ不合格になるんだ」とマイナス思考に陥ってしまう人は、なかなか合格できません。「ああ、ミスしてしまった。自分はやっぱりダメなんだ」と自分を責めるだけで終わってしまい、次に生かせないからです。
しかし、「心配だからこそ行動しなければ」と考えることができる人は、「このミスを絶対本番でしたくないな、自分はどうすればいいんだろう?」と考えるようになり、そのミスの理由を探り、しっかりと対策を練るのです。怖いからこそ、対策できて、そしてそれが成功につながるというわけです。
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