産後36歳でがんになった彼女が見つけた「役割」

当事者が情報発信していくことの意義

吉田さんは自身の経験をふまえ、企業を対象にがん教育を行う一方、各専門家と連携しながら、がんになった人と企業のニーズをつないで継続就労を支援する、一般社団法人「がんと働く応援団」の設立に向けて動き出した。

彼女がキャリアカウンセラーを目指した理由

そもそも、吉田さんはイベント会社や、自動車部品関連会社の人事畑を歩み、不動産ベンチャーで働きながら、国家資格2級のキャリアコンサルティング技能士を取得した。

「がんと働く応援団」の新年会の様子(写真:吉田さん提供)

「天真らんまんで、職場のムードメーカー。高齢のお客様に親身に接客できる彼女のおかげで、成約した事例もありました」(勤め先の不動産ベンチャーの元社長)

親身になれる力は、「がんと働く応援団」の副理事として、吉田さんを支える乳がん経験者の野北まどかさんも口をそろえる。

「彼女の趣味は人間観察で、相手の話を身を乗り出して聴ける人。そんな興味津々で話を聞いてもらえたら、誰だってうれしくなりますよ」

吉田さんがキャリアカウンセラーを志した理由は、彼女の両親の働き方にある。出版社勤務の厳格な父親は仕事中毒タイプ。一方の母親はポルトガル語が堪能で、同時通訳として活躍しつつ、育児も両立しようと懸命だった。

「2人とも一生懸命働いているせいで、家族だんらんの時間はとても少なかったと思います」(吉田さん)

両親の働き方への違和感が、幼い頃から彼女の心には積み重なっていった。

「ですから、『働く人と企業が<win—win>の関係になれる助けになりたい』という気持ちが、以前から漠然としてありました。結果、自分らしい働き方ができる手助けをするキャリアカウンセラーという仕事に、自然と憧れを抱くようになったんです」(吉田さん)

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