在宅勤務で必要なのは「頑張り」ではなく4視点 短期的な数字だけを追う成果主義は失敗する
では、どのように「目標」を明確化したらいいかというと、次の4つの視点が必要になります。これらは「バランス・スコアカード」(Balanced Scorecard/BSC)と呼ばれる業績評価の仕組みの視点です。
目標設定に必要な「4つの視点」
①財務の視点
お金の視点、要は最終的な「数字」です。営業であれば売上目標。総務や経理といった成果を数値化しにくい職種であっても、「業務効率化5%」「経費精算を中4日から中3日に」などと数値化し、成果を「見える化」することによって正当な評価(給与)を得やすくできます。
②顧客の視点
その数字を上げるために、顧客にどんな価値を提供するのか。顧客とは、いわゆるエンドユーザーだけではありません。お客様と接する機会のない職種であっても、仕事には必ず価値を提供している相手がいます。経営者、役員、株主、上司、社員などを「お客様」として捉えることが重要です。
そうした顧客に、どんな商品やサービス、あるいは仕事の成果といった価値を提供するのか。顧客を明確化することは、目標設定をするうえで非常に大事なポイントです
③プロセスの視点
顧客に価値を提供するためには、どんな仕組みをつくって実現するのか。どのように効率化するのか。目標達成のための「プロセスの視点」も重要です。顧客に安定的に価値を提供していくための「仕組み」や品質向上のための仕組みや取り組み、業務の効率化など、過程提供の仕組みの視点は、今年だけでなく、来年以降の財務的価値、顧客への提供価値を高めていくために大切なことです。
④人材の視点
上記のプロセスを行うためには、どんな能力が必要になるのか、その学習のために必要なものは何か、自身の成長ステップも明確にする必要があります。管理職だったら、部下の育成方法もここに含まれます。目標達成をするうえで必要となる能力を明確化し、それを獲得する手段、あるいは育成する手段を明示しましょう。