日経平均がここからスローにしか上がらない訳

「ひとりきりではダンスはうまく踊れない」!?

世界経済が再び停滞するという『2番底ブルース』を歌う人は減ってきたようだ。では、今後は強気でいいのだろうか(Deja-vu / PIXTA)

今回の寄稿では、筆者がかなり弱気なように誤解されてしまう点もあると考えるので、最初に長期的な日本株全般の予想を述べたい。

日米の経済は「景気回復マーチ」を演奏中

これまで繰り返してきたように、世界経済の緩やかな持ち直し傾向は今後も続くと予想している。そのなかで、日本株も他の主要国の株価と並んで緩やかな上昇軌道をたどると見込む。ただし、この「緩やかな」上昇との見通しは、本当に極めて緩やかな「株価のスローワルツ」を想定している。

まず、株価がどちらかと言えば「上に向かう」、あるいは「大きくは下落しない」という背景要因として、経済の持ち直しを示すデータが増えてきていることが挙げられる。

日本のソフトデータ(企業や消費者の心理を示すデータ)は、景気ウォッチャー指数、消費者態度指数などで、4月が大底の形だ。一方、ハードデータ(実際の経済活動を推し量るデータ)は、やや遅れて5月底のものが大勢で、失業率や鉱工業生産がそれに当てはまる。ちなみに鉱工業生産と同時に公表されている、生産予測指数(製造業企業が自社の生産の先行きを予想し、それを集計したもの)では、さらに7月・8月と、生産の回復が見込まれている。

一方、アメリカでは、ほとんどすべての経済データが、4月が大底であったと示唆している。7月雇用統計の失業率(8月7日発表)は低下(改善)し、非農業部門雇用者数も前月比増加を維持している。また、先週発表された7月分のデータでも、鉱工業生産、小売売上高ともに、前月比での増加が継続した。

このように、どうやら日米の経済は、「景気回復マーチ」を演奏しているようだ。市場では、一時は「コロナ禍で経済が悲惨に違いない。だから主要国の株価は大きく下落し、2番底をつけるだろう」といった、「2番底ブルース」をここぞとばかりに歌う向きが多かった。

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