日経平均がここからスローにしか上がらない訳

「ひとりきりではダンスはうまく踊れない」!?

前述の主要国の財政・金融政策も、経済や株価を下支えする方向で働いても、決してバブルを生み出すようなことはないだろう。セミナーなどにおける質問では、「主要国で景気や株価がまだ脆弱なのに、経済政策が打ち切られたら、株価は暴落すると考えるが、どう思うか」「景気や株価が十分回復しても、経済政策が大規模なまま続けられたら、バブルが生じると思うが、どうなるか」という質問が、未だにとても多い。

もし景気や株価の腰がまだ弱ければ、経済政策が打ち切られることはないだろうし、景気や株価が力強く回復すれば、経済政策は出口に向かうだろう。大暴落もバブルも起こりにくいと言える。

「息の長いダンス」をお勧めしたい

以上より、あくまでも「個別銘柄ではなく株価指数で代表される株式市況全般」という意味だが、日米等主要国の株価は「とてもとてもスローな上昇ワルツを踊る」と考えているわけだ。

先週は日経平均が終値で2万3000円台を回復するなど、株価指数が上振れ気味で動意をみせた。だが日経平均で言えば、長らく続いた2万2000円台を中心とした推移、すなわち2万2000円を若干割れたり2万3000円を若干超えたりする相場付きからまだ大きく脱することができず、今週以降再び2万2000円台に戻る展開をメインシナリオとして見込む。ただし繰り返しになるが、長期的にはじわじわと株価が上がって行く市況(年末辺りは2万4000円近辺)を予想している。

とは言っても、投資家心理がやや楽観に振れて、2万2000円台を中心とする動きから2万3000円前後の推移へと、500円幅ほど株価指数のレンジが上方にシフトした可能性は、否定はできない。

このため、現水準で思い切り株価指数先物を売ったり、日経平均のダブルインバースを信用買いしたりして、2万2000円辺りへの下落で大儲けのダンスを踊ろうと目論むと、ちょっとした株価指数上振れの「段差」でダンサーがつまずいて、市場というダンスホールから退場せざるを得なくなる恐れがある。

「長期的な緩やかな株価上昇」という基調のリズムに逆行する「短期的な株価下振れの変拍子に賭ける」という投資行動は避け、「株価が下振れすれば現物をゆっくりじっくり買い溜めて長期買い持ちで待つ」という息の長いダンスをお勧めしたい。それでは短期的に大儲けできない、といった「恨み節」は、身を滅ぼしかねない。

それでも、メインシナリオとして、日経平均が2万3000円前後に切り上がるという展開ではなく、どちらかと言えばまた2万2000円台にいったん下押しする、という短期展望を見込む理由は、いくつかある。

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