政府は「新型コロナの恐怖」政策を見直すべきだ

冷静な情報発信で萎縮を解消し日常に戻ろう

7月31日、新型コロナウイルス感染症対策分科会の後、会見する西村康稔経済再生担当相(左)と尾身茂・同会長(写真:時事) 

新型コロナの感染が急拡大しており、国民の間に不安感が広がっている。感染予防のために再び活動制限を強化すべきとの意見も増え始めた。しかし、足元の感染拡大を過度に心配する必要はないと筆者は考えている。むしろ、政府は現在の新型コロナ対策の方針を抜本的に見直すべきだ。

日本人では低い死亡率

足元の動きをどう判断するかの前に、これまでの新型コロナ流行がわが国にもたらした結果を整理しておこう。まず、他の国と比較して、死者が際立って少なかったことが特記される。わが国の新型コロナによる死者は累計1000人程度。これは、年間死者(約136万人)の0.07%にすぎない。年間死者数に対する新型コロナによる死者数で見て、比率が最も高かったベルギーでは8.8%と1割近くに達した。英国では7.3%、スペインでは6.8%と、米欧諸国では総じて高い。

また、毎年流行する季節性インフルエンザと比べても、新型コロナの死亡率は高くなかった。例年、インフルエンザによる死者は12月から増え始め、1~2月にピークを迎えた後、3~4月には収束する。この1~2月のピーク水準と比べると、新型コロナ第1波のピークだった4~5月の死者は、2分の1から3分の1という水準であった 。年齢別の死者数をみても全体的にインフルエンザより少なく、とりわけ20歳以下では1人も亡くなっていない。

このように、わが国における新型コロナの死者は、他国と比べても、季節性インフルエンザと比べても、それほど高い水準ではなかった。現時点でこの理由は明らかになっていない。ただし、当初42万人と予想された死者数がこれだけ低かったのを、マスク・うがいなどの生活習慣だけで説明するのは無理がある。何らかの免疫的要因が働いたと考えるのが自然であろう。政府や国民の努力で死亡者が抑制できたというより、想定外の幸運に恵まれただけというのが実情かもしれない。

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