政府は「新型コロナの恐怖」政策を見直すべきだ

冷静な情報発信で萎縮を解消し日常に戻ろう

最も理不尽なマイナス影響は、子どもの成長を阻害することである。学校は再開されたものの、依然として多種多様な感染予防策を講じたうえでの非常時体制が続いている。これが、子どもの成長に心身両面から大きなマイナス影響を与える。授業の量・質両面から学力を低下させることに加え、社会との接点が少なくなることで、協調性・自制心・忍耐力といった非認知能力の形成にも支障を来す。

日本小児科学会が懸念するように、新型コロナの感染リスクを大きく上回る健康被害も生じる。最終的には、マクロの労働生産性を引き下げ、潜在成長率を低下させることにつながるだろう。

日本社会・経済をこれ以上悪化させないために、国民の萎縮心理を払拭して、持続性ある新型コロナ対策に切り替えることが必要である。国民一人ひとりに活動再開のインセンティブがないことを勘案すれば、民間の自律回復力に期待するのは難しい。政府が先導して国民の萎縮ムードを払拭することが不可欠である。社会・経済活動を再開させ、軌道に乗せていくために、政府が国民に向けて次の3つのメッセージを発信することが求められる。

感染自体を極度に恐れる必要はない

①「若年・壮年者にとって新型コロナは脅威でない」

まず、新型コロナへの恐怖感を拭い取り、国民に安心感を与えることが必要である。死亡率データから言えるのは、日本では米欧諸国より死亡率が大幅に低いこと、なかでも若年・壮年の死亡率がゼロに近いことである。若年・壮年者にとっては、決して世間で喧伝されているような「恐怖のウイルス」ではない。これを客観的な事実として国民に伝えたうえで、新型コロナの低い危険度を認識させることが求められる。

②「感染者が増えるのは心配ない」

次に、新型コロナの感染に一喜一憂・右往左往しなくていいというメッセージが必要である。7月に入って、感染者が増えているという報道が毎日繰り返されているが、この実態は低リスクの若年・壮年が大半である。こうした感染増は、社会活動の再開とPCR検査数の拡大の結果であり、陽性反応が出た感染者の大半は、自然経過で治癒していくものである。若年・壮年者にとっては、新型コロナに感染すること自体を過度に恐れる必要はなく、行きすぎた感染予防も不要と考えられる。感染を極度に恐れる社会的風潮は変えていくべきだ。

③「日常生活を取り戻そう」

最後に、国民の不安感を払拭したうえで、活動再開を一段と進めるというメッセージを打ち出すことである。特に、ほぼゼロリスクといえる若年・壮年者に関しては、早急に新型コロナ流行前に近い生活スタイルを復元すべきだ。「新しい生活様式」を全年齢一律に無理強いするのも見直したほうがいい。その中には、必ずしも科学的根拠に基づかないのに実施されているものもある。漫然と多くの制限を導入すればするほど、社会・経済が回復する際の足枷になる。また、危機管理の観点からどうしても行動が慎重になりやすい企業の活動正常化を政府が後押しすることも必要である。

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