政府は「新型コロナの恐怖」政策を見直すべきだ

冷静な情報発信で萎縮を解消し日常に戻ろう

国民の間に浸透したこうした萎縮心理は、さまざまな面からわが国に深刻なマイナス影響を及ぼす。

まず、需要の蒸発が長期化することである。さまざまな機関が日本人の活動状況を調査しているが、総じてみれば、まだ平年を1~2割下回っている。こうした状態が続く限り、経済活動はなかなか元の水準に戻らない。

活動制限によって2020年のGDPは30兆円喪失

日本経済研究センターがエコノミスト36人の予測値を集計した『ESPフォーキャスト調査』でも、自粛ムードの長期化が反映され、もたつき感の強い回復コースが予測されている。潜在成長率を基準に試算すると、新型コロナによって2020年のGDP(国内総生産)は30兆円喪失するという結果が得られる。そのうち国内の活動制限だけで、毎日400億円が失われている計算になる。

こうした需要不足が長期化すれば、第1波で抑制できた失業と倒産が急増することになる。短期決戦であれば企業も頑張れるが、売り上げの喪失が長期化すると、耐え切れない企業が増えていくことは避けられない。

その結果、起きるのは、失業と倒産の増加である。すでに、企業の人手不足感は急低下しているほか、飲食店を中心に店舗閉鎖の動きが広がり始めている。失業・倒産が増え始めたら「緩やかな回復」さえも実現困難になり、景気は二番底に向かう可能性が高まる。

さらに悪いことに、厳しい財政事情を考えれば、第1波で実施したような大盤振る舞いの財政支出余地は残されていない。今年度の2回の大型補正予算によって、中央政府の基礎的財政収支は大幅に悪化している。また地方でも、これまで積み上がってきた自治体の財政調整基金の大半が取り崩されている。政府・自治体は無尽蔵に歳出を拡大できる状況にはなく、いずれ「財政の崖」に直面することになるだろう。

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