ジェネラリストは不要? 世銀の採用基準とは

まさに最前線、アフリカの脆弱国家を救うために戦うナナロク世代

世界銀行の待遇は??

――ぶっちゃけた話、国際公務員の福利厚生って……?

世銀の待遇については、福利厚生や年金制度もしっかりしているし、上司と相談のうえ、勤務形態(遠隔勤務やフレックスタイム、自宅勤務など)を選択することも可能です。

何よりワーク・ライフ・バランス(仕事とプライベートのバランス)を大事にする文化があり、総じてフレキシビリティの高い、働きやすい職場だと思います。おそらく日本の同年代のサラリーマンや公務員と比較したら、とてもいい条件です。労働対価としては妥当なものだと思いますが。

――アフリカの職場では、日本人と会ったりしますか?

世銀に入ってから、とにかく同じ部署やチームに日本人がいたことがありません。しかし、アフリカにおける日本への信頼の高さ、日本という国に対する尊敬とあこがれの念、日本人というだけで信頼してくれる。世銀にいながら、日本人としてものすごいプレミアムの恩恵を受けていることも事実です。

数年サイクルの移動、年の半分以上は出張

――長い間、まさに「現場主義」で働いていらっしゃいますね。私たちの共通の知人であり、世界銀行の中枢で組織改革を行っている金平直人さんが、「長木さんみたいな方が世銀の宝だ」とおっしゃっていました。印象的な言葉でした。

私にはもったいない言葉です(笑)。世界銀行では、中央と現場、両方からさまざまな改革が進んでいますが、クライアントにとってわれわれが信頼に足る、価値のあるパートナーでい続けるためにも、自分の持ち場で責務を果たしたいと思っています。

――もう日本に帰りたい、と思ったりはしませんか?

人口よりラクダや家畜の数が圧倒的に多い国、モーリタニアに出張中。ラクダの肉を恐る恐る食べる

うーん、ないわけじゃありませんが、日本に戻って、多様性のない均質社会でまた社会人をやっていけるか、というほうが心配です(笑)。

ただ、この仕事は移動が付きものです。数年サイクルで、荷物をまとめて次の国に移っていかないといけない。さらに私の場合、年の半分以上は出張しているので、プライベートがある程度犠牲になることは、否めません。コンゴにいたときは、特に大変でした。オフィスと住居が同じで、プライベートも何もない……。

究極の環境に置かれると、感覚が狂ってくるのを感じたりもします(笑)。そんな状況が続いていると、ふとしたときにも、命あっての仕事だな、と思うのです。

国際機関で、途上国、特にポストコンフリクト国の仕事をしたい、と相談に来る人は多く、それはとても頼もしいことです。どんどん気概のある若い人たちに来てほしいと願っています。他方、この仕事の現実はそんなに甘くない、というのも事実です。

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