ジェネラリストは不要? 世銀の採用基準とは まさに最前線、アフリカの脆弱国家を救うために戦うナナロク世代

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世界の隅っこで、誰も知らない中で、粛々と

セネガルの僻地で、もがきつつも市場調査に燃える青年海外協力隊のみなさんを訪ねて。彼女たちもまた、たくましい

1歩前進3歩後退を繰り返し、目を覆いたくなるような現実や現場に出くわすこともある。きつい、危険も伴う。仕事の9割は必ずしも前向きなことばかりではない。世界の隅っこで、誰も知らない中で、粛々と仕事をしています。

そういう環境で地道に仕事を続けていくには、信念と情熱だけでなく、覚悟も必要かもしれません。何が起こってもそれを淡々と乗り切る、精神的なタフさも求められます。

でも、残り1割の報われる瞬間に計り知れない価値があるからこそ、「この仕事にはやりがいがある」と断言できるのです。

高学歴は決定的なバリューにならない!

――ご自身の経験から、世界で必要とされる人材とはどのような人材だとお思いになりますか? 自分には、特別な才能がある、と思ったりされますか?

そんな思いは、まったくありません。ごく普通のサラリーマン家庭に育ち、帰国子女でもなければ、世界トップクラスの大学の学位をいくつも持っているわけでも、成績がずば抜けてよかったわけでもなく、牛丼で言えば、まさに並の人間が私です。

周りには、ずば抜けた才能を持つ人がたくさんいますし、才能があればいいなとは思いますが、それよりも大事なことがあります。

世銀には、各国のトップ大学、日本で言えば東大クラスの大学を出て、さらにハーバードなど世界的名門校のダブル学位を取ったような人が、押し寄せてきます。でも、あえて言ってしまえば、高学歴は決定的なバリューにはならないのです。そんな人材は世界にゴマンといるから、付加価値にはならない。

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