それよりも、しっかりとしたアカデミックなバックグラウンドを持つこと、どういった専門性があるのか、ということが重要です。さらに、どういう経験をし、どんな成果を上げてきたのか。また、どういう失敗からいかなる教訓を得てきたのか、などのほうがよほど大きく評価されます。
採用部署を「ほう」と言わせるものを持っているか、という意味では、才能よりも、経験やスキルをどれだけ自分が身に付け、それをどれだけ価値化できるか、ということのほうが大事だと信じています。
私の経験上、自分の人生の暗転となる時点で自分がどうありたいか、という指針をある程度思い描き、キャリア形成の過程で「ストーリーライン」を作っていくことが大事なように思います。
他方、方向転換をすることはいつでもいくらでもできるし、柔軟に軌道修正をしたり、 直感で進んで行くこともあるでしょう。その時々の環境で、精いっぱい努力することを忘れず、あくまで自分がよしとする先へと歩みを進める、これが肝心なのではないでしょうか。
インタビューを終えて
長木さんからは、自分に課せられた使命を遂行していく、強い信念を感じる。世界の片隅の、厳しい環境下で働くことは、並大抵の情熱ではできないことだろう。
しかし、世界銀行でのポストを得るためには気持ちだけではなく、前提となる高い語学力、確固たる専門性、また、時に自分を引っ張り上げてくれるネットワークが必要で、彼女はこの点においても努力を惜しんでこなかった。
天才と呼ばれるような、才能ある人がたくさんいる中で、自分独自の価値を見いだし、ひたすら努力する。そうすることで、自分の思い描いてきた夢が、少しずつ形になってくる。そんなことを、長木さんの半生はまざまざと教えてくれるのであった。
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