若者のSNS上で「言い訳写真」が大流行するワケ 実に日本人らしい理由がそこにはあった

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海外と比べると自撮りの少ない日本の若者。しかしそんな若者に異変が起きています(写真:Pangaea/PIXTA)

筆者は長年、若者について研究してきましたが、ずっと気になってきたのが「自撮り」の傾向です。海外の若者に比べると、日本の若者の自撮りは圧倒的に少ないのです。

例えば、海外で若者調査をしている過程で、若者たちにSNSへの投稿を見せてもらうと、とても地味なタイプの女子が、SNS上には肌の露出の多いセクシーな自撮りを載せていることなどが大変よくあります。しかし日本では友達と一緒に自撮りを載せているケースはしばしば見られるものの、1人での自撮りは海外ほど多くは見られません。

こうした自撮りの少ない日本の若者に異変が起きている、というのが今回のテーマです。この現状について、現役高校生・大学生を中心としたチームが解説してくれます。

「自撮り免罪符」?

SNSが普及したことで、多くの若者が気軽に自撮り写真を投稿するようになった。人とつながる機会が増える中、若者は自撮り写真を投稿することで「誰かに自分をアピールしたい、認められたい」という自己承認欲求を満たしている。

写真左から、赤峰沙都(高校2年)、Kamin(私立大4年)、小浜尚大(早稲田大学4年)

今回は、カメラアプリなどで話題のフィルターが主役である。フィルターとは、カメラアプリの技術を用いて自撮り写真を瞬時に加工してくれるものであり、自撮り写真などをよりよく見せたりできるものである。このようなフィルターが今ではただ顔写真に加工することで綺麗に見せるだけではなく、さまざまなニーズに対応して出てきている。

これらのフィルターは、もともとは数種類のフィルターで写真が手軽に加工できるカメラアプリ、SNOWの登場などで人気に火がついたが、その後も飽きられることなく、さまざまなフィルターが続々と現れ、長いブームとなっている。

その中で、最近では自撮り写真をただSNSに投稿するのではなく、「診断系のフィルター」「キャラクターフィルター」など使って自分の写真を加工し、明らかな自撮り写真とは思わせずに投稿する人が増えている。

いわば“自撮り免罪符”といえるようなニーズについて、さまざまな事例をもとに調査していく。

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