「口うるさい親」が子どもの成績を下げる"必然" 気づかず子どもの短所ばかり指摘する悲劇

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2) 子どもの長所をさらに伸ばすようにする

親がいつも「口うるさい」状態にあるということは、子どもの短所ばかり見ている可能性があります。

人は、自分の長所はあまり認識せず、短所ばかり自覚しているということがよくあります。例えば、人から「◯◯さんはいつも丁寧で感じがいいわね」と言われても、自分ではそれが普通なので、印象に残りにくいでしょう。一方、「◯◯さんは声が小さいね」と言われたとしましょう。きっと少し腹が立つでしょう。短所は、人に言われずとも痛いほど自覚しているでしょうから。

その「自覚できていない長所」をあえて言葉にしてあげることで、長所がさらに伸びていきます。自己肯定感が高まり、言動が前向きになるなかで、短所はほうっておいても、後から「自己修正」が始まることが多くあります。

田浦さんのお子さんの場合であれば、課題や宿題がしっかりと出せているということが長所、成績が伸び悩んでいるということが短所にあたりますが、その短所の指摘をするのではなく、しっかりとやるべきことができているという点に着目して触れてあげます。

宿題や課題をしっかり出せるのが、当たり前のことだと思ってはいけません。それができない子が世の中には山ほどいます。長所を指摘してあげると、子どもの側から、成績を上げたいから、◯◯の塾に行きたいとか、勉強方法を知りたいというアクションが起こってくることがあります。

モチベーションを与えるのは、人生を楽しむ親の姿

3) 親自身が自分の人生を楽しむことに意識をおく

家庭内で、親にいつも見張られ、「ああしなさい、こうしなさい」と言われている子どもは、日々に息苦しさを感じていることでしょう。勉強についてはなおさらです。親は決して「教師ではないこと」を知る必要があります。教師になるのではなく、勉強について、子どもから相談されたら積極的に話を聞いてあげ、自分の判断で進めるように支援してあげましょう。

しかし、「いつまでも、うちの子は勉強にスイッチが入らない」と、やきもきする人もいます。やきもきしている段階で、親はすでに子どもの勉強に“意識が行きすぎている”と考えていいでしょう。

中学生ともなれば、自主的に考え、行動する力はあります。それが無いように見えるとすれば、親が「やりすぎ、出すぎ、追い詰めすぎ」の状態にあります。

では、親はどうすればいいのかといえば、子どもの勉強よりも自分が楽しめること、ワクワクすることに時間と意識を使いましょう。実は、口うるさくするよりも、そのような親の姿を見るほうが、圧倒的に子どもにモチベーションを与えます。

いつも自分を監視している親を見ることと、ワクワクしながら人生を楽しんでいる親を見ることと、どちらが子どもにとって有益であるか、今一度考えてみてください。

以上、3つの対策について書きましたが、まだ「本当に口出しをやめていいのか」「本当に効果が出るのか」信じられない方もいるでしょう。

しかし、口出しをやめてうまくいった多くの親たちも、初めは、「そのようなことは信じられない。うちの子は言わないとやらない」と言っていました。何年も口うるさくしてきてうまくいっていないのでしたらぜひ一度、数カ月、試してみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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