「日本に、こんな美しい心あります。なぜ西洋の真似をしますか?」 朝ドラ「ばけばけ」日本の急速な欧化政策にハーンが嘆いた訳

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マノリ / PIXTA
(写真:マノリ / PIXTA)
NHKの連続テレビ小説「ばけばけ」が新たにスタートした。明治時代の作家・小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツをモデルにした物語である。ギリシャに生まれて、アイルランドで幼少時代を過ごしたラフカディオ・ハーンが日本に渡ったのは、40歳のとき。翌年に小泉セツと結婚し、46歳で日本国籍を取得。小泉八雲として第2の人生を送った。「耳なし芳一」などの『怪談』で知られる小泉八雲と、その妻の小泉セツは、どんな生涯を送ったのか。『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』の著者で偉人研究家の真山知幸氏が解説する。
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文明開化に苦労したのは士族だけではなかった

NHKの連続テレビ小説「ばけばけ」で、ついにトミー・バストウ演じる英語教師ヘブンが来日した。ヘブンはのちに「小泉八雲」として名を馳せるラフカディオ・ハーンをモデルにしている。小泉セツをモデルにした主人公のトキ(髙石あかり)と、どんなふうに親交を深めていくのか。気になるところだ。

小泉セツが残した『思ひ出の記』‎を読めば、ハーンがいかに日本の伝統文化を愛したかがよく伝わってくる。ドラマでのヘブンも、まさにそんなハーンの実像とぴったりの振る舞いを見せた。

船で松江に到着するや否や、初めての日本に興味津々なヘブン。英語が堪能で通訳を務める錦織(吉沢亮)の話を聞かずに、三味線の音にひかれて遊郭街へ行ったかと思えば、トキの祖父・勘右衛門(小日向文世)から木刀で斬られそうになるなど、てんやわんやだ。

自由奔放なハーンに振り回されて、江藤知事から叱責を受けると、錦織は「あの、ペアみたいになってますけど我々、私も皆さんと同じで今日初対面ですから」と虚無の表情で、言い返している。

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