けんすうの成功則「リスクはとらずに管理しろ」 誰もやらないことをやれば差がつくサードドア

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リスクはとらずに管理する……サードドアを開ける極意とは?(写真:ridvan_celik/iStock)
12万部突破のベストセラーとなった、アレックス・バナヤン著『サードドア:精神的資産のふやし方』。
「誰もやらないことをやるだけで差がつくのに、みんなやらないだけなんです」――連続起業家でアル取締役の「けんすう」こと古川健介氏は、19才で学生コミュニティサイトを立ち上げ、大学在学中にIT企業の社長に就任するなど、独創的な発想力で、大手企業に買収されるスタートアップや新規事業をいくつも生み出してきた。現在は漫画ウェブサービス「アル」を手がける。けんすう氏にサードドアを開ける極意について話を聞いた。

けんすうが10代で開けたサードドア

ビジネス書は多くの場合、「自分は超人だ」という著者の目線で書かれています。

話題のベストセラー『サードドア:精神的資産のふやし方』の特設サイトはこちら(画像をクリックするとジャンプします)

その背景には、成功した経営者が「いかに自分は人と違う素晴らしい努力をしたか」を語ったほうが、ありがたくてウケがいいという事情があるのかもしれません。

ですが『サードドア』はそこを出発点にしていないところが、表現としてうまいなと思いました。

何者でもない普通の大学生が、偉大な成功者にインタビューしようと突拍子もなく考えて、まずは攻略法を考えてクイズ番組に出て優勝し、それで得た資金で活動しはじめる。そこからしてすでに面白い。

僕も10代からいろんなサードドアを使ってきました。高校生の頃、どうしても授業を受けたい予備校の先生がいたのですが、席を得られなかった。そこで、「その先生のファンサイトを作る」という方法で先生に認知してもらい、こっそり授業に潜り込ませてもらったのです。

19歳のときには、受験に有利な情報を得るために、大学受験に特化したコミュニティサイトを立ち上げました。当時はまだそのような情報プラットフォームがなかったこともあって、すぐに1日5000件の投稿があるサイトに育ちました。

僕はそこに集まる情報を通じて、勉強法や参考書、出題傾向などを学びました。

受験と言えば、普通は誰もが自ら熱心に勉強することを考えると思いますが、僕はインターネットのサービスを作り、いい情報をたくさん得て活用し、第一志望に合格しました。

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