けんすうの成功則「リスクはとらずに管理しろ」

誰もやらないことをやれば差がつくサードドア

もちろん、「こういう道がある」ということに気づく人と気づかない人がいます。それから、気づいても、やる人とやらない人がいる。

『サードドア』の中には、気づいてもやらない人のエピソードがあります。主人公のアレックス・バナヤンは、その著書を読んで感銘を受けた経営者、ザッポスCEOのトニー・シェイに頼んで2日間彼に同行、トニーの隣に座ってCEO目線で会議やプレゼンに出席するという貴重な体験をします。

そんなバナヤンに羨望のまなざしを向けるザッポスの社員たちがいます。それに気づいたアレックスは、トニーと別れる際、「どうしてほかの人にも同じことをさせてあげないんですか」とたずねます。トニーはこう答えました。「喜んでやらせたいよ。でも誰も頼んでこないんだ」と。

誰もやらないことをやるだけで差がつくのに、みんなやらない。こういうことはたくさんあります。僕から見るとそれは、道に1億円が落ちているのに、しゃがむと膝が痛むから拾わない、ということと同じに見えるんです。しゃがんだところでそんなリスクはほぼないし、ラッキーなだけなのに、なぜかほとんどの人は避けてしまう。

成功者にインタビューをするというアレックスの行動自体も、なんのリスクもないのにやる人がいないことの1つかもしれませんね。

「できない理由」に自分が納得できるか?

あなたのようにサイトを作るなんて、なかなかできることではないでしょう、と言われることもあります。でも、「なかなかできることではない」という言葉の意図はなんでしょうか?

けんすう/アル代表取締役。2003年にしたらばJBBSを運営するメディアクリップ代表取締役社長、2004年にライブドアに事業譲渡。2006年にリクルートに入社し、インターネット系の新規サービスの立ち上げに関わる。2009年に株式会社nanapiを創業、2014年にKDDIグループにM&Aされる。2019年1月にマンガコミュニティサービス「アル」を運営するアル株式会社を立ち上げる(画像:著者提供)

「こういう事情でできないのではないですか?」という明確な理由を示されたなら、納得もできます。でも、僕には得てして、とくに納得のいく「できない理由」がないんです。

例えば、予備校の先生のファンサイトで言うと、最初のステップはレンタル掲示板を設置するだけでした。メールアドレスを入力して、送信ボタンを押し、タイトルをつければ完了です。それによるリスクは、10分程度時間をとられることぐらいでしょう。

レンタル掲示板を設置する程度のことに、勇気も必要ありません。自分で人にしゃべらなければ誰にもバレないし、失敗したとしても、こっそり失敗して終わるだけです。そう考えると、実はやれることはいくらでもあると思います。

自分の中で「できない理由」「やらない理由」を作るために、頭を回しすぎている人が多いのではないかとも思います。「やらない理由」など、考えればいくらでも出てきます。とくに、リスクは「とるもの」だと思っている人は、やらない理由を探す傾向があるように思えます。

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