けんすうの成功則「リスクはとらずに管理しろ」 誰もやらないことをやれば差がつくサードドア
なにかが怖くてできないと漠然と感じている場合は、リスクを具体的に把握できていないことがほとんどです。そこを徹底的に整理するといい。「できない理由」を一つひとつ潰していくのです。
例えば、ブログに記事を投稿したいと考えたとしましょう。この記事は、公開すれば1万人に読まれるまでに広まる可能性がある。一方で記事を読んだ人のなかには反発する人もいて、100件の誹謗中傷が来るというリスクがあるかもしれません。
であれば、誹謗中傷のコメントはミュートできるようにしておく、あるいはそもそもコメントは見ないなど、対処法はいくらでもあります。
仮に、その100件の誹謗中傷を見てしまい、落ち込んだ場合はどうでしょうか。苦しいけれど、1週間程度で忘れることができそうだと考えれば、「1週間落ち込むリスク」と「1万人に読まれるリターン」、どちらを取るかという考え方ができます。
さらに、こうしてリスクとリターンを具体的に把握した結果、リスクが高すぎると判断したのなら、その時はやらなければいいのです。
最悪の事態までリスク管理を
ですが、このように具体的に考えるステップまで進まない人のほうが多いのかもしれません。僕も、最初からこうしたリスク管理思考を持っていたわけではありません。
10代の頃はもっと思考の解像度が低く、大学受験のサイトを作ったときも、もしリスクがあるとすれば、作ったサイトを誰も使ってくれないことだ、というぐらいにしか考えていませんでした。だから、とにかくやったほうがいいはずだ、と。
でも今は、もう少し、自分の会社全体としてどうなのかを考えます。例えば、明日大地震が起きたらどう対処するか、連絡フローはどうなるか、万が一、売上ゼロになったときに、何か月間生きられるだろうか。そんなことまで事前に考えています。
明日会社が潰れたとき、あるいは突然仕事がなくなったときのリスク管理は、意外と考えている人がいない。僕はそれを怖いと考えていますが、多くの人にとっては、どうなのでしょうか。
例えば今回、新型コロナのために、フリーランスのライターの仕事が9割減になったという話を聞きました。これは大きなショックです。
ですが、9割減になるというケースはそこそこあるのではないかと思います。3.11(2011年東日本大震災)のときもそうでしたし、その前にも2008年のリーマンショックや、2001年の9.11(アメリカ同時多発テロ)がありました。およそ10年に1度のペースでなにか大事件が起きていますよね。
ですから、こういったことは当然起きる可能性があるという感覚が僕の中にはありますし、そこを管理しておかなくて大丈夫だろうかと感じています。
リスク管理自体は誰にでもすぐにできることですし、リスク管理表を作るリスクなどは、そんなにありません。ぜひこの機会に取り組んでみるのがいいと考えます。
(後編につづく)
(構成: 泉美木蘭)
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