「ポスト安倍」で激突、河野&西村両大臣の明暗 首相レースは大混戦、今秋が勝負どころか

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2009年9月の自民党総裁選に出馬した河野太郎氏(右)と西村康稔氏(左)(写真:アフロ)

ここにきて閣僚としての存在感が際立ち、「ポスト安倍」候補にも名前の挙がる河野太郎防衛相と西村康稔経済再生・コロナ担当相。両者の派手な言動が永田町の注目を集めている。

河野氏は陸上迎撃ミサイルシステム(イージス・アショア)配備計画の「停止」を、西村氏はコロナ対策での政府専門家会議の「廃止」を、どちらも唐突に宣言して、政権内外に賛否両論を巻き起こした。

どちらの「宣言」も、事前に政府・与党や関係者への根回しがほとんどなかったことで、「独断専行の政治的パフォーマンス」(自民幹部)などの批判や反発が相次いだ。ただ、国民レベルの評価は河野氏が高く、西村氏には批判的な声が目立っている。ポスト安倍レースでも明暗が分かれる展開となりつつある。

河野氏の決断は「大英断」と評価

河野氏が配備計画の停止を宣言したのは、国会閉幕直前の6月15日。迎撃ミサイルを発射する際に使う「ブースター」と呼ばれる推進補助装置を演習場内に確実に落下させるには、ソフトとハードのシステム改修が必要となり、千億円単位の巨額な経費と10年程度の期間が想定された。

安倍晋三首相や菅義偉官房長官ら官邸中枢の了解は得ていたものの、与党への事前説明はまったくなかったため、二階俊博幹事長を激怒させ、自民党内の防衛相・防衛庁長官経験者らからも「防衛省はわれわれをだましてきた」「代替措置をどうするのか」などの批判、反発が相次いだ。

ただ、配備予定の自衛隊演習場を抱える秋田、山口両県では、配備計画決定時から反対運動が続いていた。特に、秋田では地元への計画説明の際の防衛省のデータの誤りなどから、関係自治体や住民が猛反発。同県への配備計画は頓挫しつつあった。河野氏の決断は秋田、山口県では歓迎され、「大英断」と評価する声が広がった。

これを受けて、政府は6月24日の国家安全保障会議(NSC)4大臣会合で、配備計画の撤回を正式決定。NSCでは9月までに陸上イージスに代わるミサイル防衛などについて一定の方向づけをして、年内に外交・安保の基本方針「国家安全保障戦略」と防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を改定する段取りを確認した。

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