まだ見ぬ「わが子の才能」掘り起こす5つの質問 進路選択を前に悩む親子に伝えたい

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(2)心がワクワクした瞬間はどのようなときだったでしょうか?

かつて大学院時代に、20代で起業し、上場会社まで作った社長を研究したことがあります。そこで、わかったことは、高校、大学時代に、旅に出たり、さまざまな活動に参加したりして、経験の幅を広げているという共通点がありましたが、もう1つ興味深いことがわかりました。

学生時代に手にした科学雑誌のコンピュータチップの幾何学模様を見て涙が出るほど感動し、その後ソフトバンクを作った孫正義社長の話などは有名ですが、起業家を調べてみると、心が動いたこと、感動したこと、そこに起業の原点があることが少なくなかったのです。高校生までの間に、そのような感動する体験、心がワクワクする経験があったとしたら、そこにキャリアの芽があるかもしれません。

(3) 自分は「人と違う」と思った分野・特徴はあるでしょうか?

友達が興味を持たないのに、自分だけ強く興味を持った分野に自分の進路が隠されている場合があります。例えば、理科で生物の分野を勉強したときに、その他の生徒は、知識を覚えておしまいであったけれども、自分は、やたらと人体の構造に関心が強く出て、その後も本を読んだり、先生に質問ばかりしていたとしたら、その分野に自分の進路が見いだされることがあります。または、誰とでもすぐに交流できてしまい、友人の数が多いとしたら、社会性が必要とされる仕事や人間関係を重視する仕事に向いている可能性があります。

子どもの才能や能力に気づくきっかけに

(4)世の中のこと、一般の人がやっていることに疑問を持ったことはあったでしょうか?

例えば、政治のあり方について強い疑問を持っていると、その後、政治家になることやジャーナリスト、マスメディアといった進路になることも考えられます。学校教育がおかしいと思うのであれば、自分が教師になり変えていきたいと思うことや、塾を作り自分なりの理想教育を実現したいという方向になることもあります。

(5)これまで、つらい逆境があれば、どのような経験をしましたか?

例えば、小さい頃に大病して回復した経験を持つ場合、その後、医療関係の仕事を希望するというケースはよく聞くところです。また、不登校であった経験から、同じように苦しんでいる子を助けたいということでカウンセリングの仕事をするようになることもあります。これを「夢の原体験」といいます。もし、過去に苦労したこと、逆境にあったことがあったとしたら、そこに自分の進路が見えることがあります。

以上の5つの質問によって必ず、子どもの才能や能力がわかるというものではありませんが、気づくきっかけにはなるのではないかと思っています。ぜひ、参考にしてみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

講演、執筆相談はこちらから。

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