在宅勤務中に成長する人は「音声」を使っている オフィスじゃできない「英語漬け」「音声入力」

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その原因は、音声入力できる場所が限られていることにあるのではないかと思っています。オフィスでぶつぶつ独り言をつぶやいているのは恥ずかしいです。また、入力している内容を隣の人に聞かれるのもどうも居心地が悪い。

ところが在宅勤務であれば、周りの人を気にすることなく音声入力をすることができます。これは革命的です。しかも、ソファに寝そべりながらでも可能です。

アウトプットしようと思っていることを頭に思い浮かべ、イメージがまとまってきたら、一気に音声で入力していく。細かな間違いは、あとから手入力で修正すれば大丈夫です。

音声入力によって、キーボード入力の遅さというボトルネックが、ついに外れたのです。

考えていないことは書けない

音声入力のボトルネックは、思考スピードです。当たり前ですが、考えてもないことをしゃべることはできません。実際に音声入力をやってみるとわかるのですが、しゃべることがなくなって悩む時間がけっこう多い。「もっと早く思考ができればどんどんアウトプットできるのに!」と誰もが思うことでしょう。

音声入力のコツは、この思考スピードというボトルネックをいかに外していくかにあります。つまり、音声入力する前に、ある程度考えを整理しておくのです。

そのときに、一字一句を準備しておくのは、実は効率が悪い。用意した言葉を言い切ったら、そこで入力が終わってしまうからです。セリフを準備して、そのセリフをそのまま言う、という順番だと、結局セリフを考えるという思考がこま切れになって、思考のスピードが上がっていかないのです。

そうではなくて、しゃべる全体のイメージをおおよそ持っておいて、あとは流れの中でしゃべり続けていくことが重要です。全体のイメージが固まってさえいれば、あとは細かな言い方の違いは気にせず、とにかくイメージに沿って言葉をしゃべり続けるのです。細かい間違いはあとから修正すれば大丈夫です。

ちなみに、こうしたイメージを固めようとしているときは、端から見ればぼーっとしてるだけのように見えます。だからオフィスで働いているときは、ぼーっとしていると思われたくないので、しょうがなくキーボードを叩いていたかもしれません。

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しかしそれは本意ではなく、また仕事のためなどでもなく、ただ他人の目をごまかすだけのもの。私たちはオフィスにおいて、やむをえず、仕事をしているふりをしなくてはならないことが多かったのです。

在宅勤務という手段を手に入れた私たちは、そんな外部からの視線を気にする必要がなくなりました。思う存分、アウトプットのイメージに思いを馳せ、イメージが固まったら圧倒的にスピードの速い音声入力にアウトプットを委ねる。

こうして、本質的な思考プロセスに集中することができるようになるのです。

小山 龍介 ブルームコンセプト代表取締役

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こやま りゅうすけ / Ryusuke Koyama

1975年福岡県生まれ。AB型。京都大学文学部哲学科美学美術史卒業。大手広告代理店勤務を経て、米国MBAを取得。その後、松竹株式会社 新規事業プロデューサーとして歌舞伎をテーマに新規事業を立ち上げた。2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立し、現職。名古屋商科大学大学院 准教授(ビジネスモデル論)、(社)ビジネスモデルイノベーション協会 代表理事、(社)日本能楽謡隊協会 理事、ビジネスモデル学会 プリンシパル。宝生流シテ方能楽師の佐野登に師事し、2015年『土蜘』を演能。著書に『IDEA HACKS!』(東洋経済新報社)をはじめとするハックシリーズ、訳書に『ビジネスモデル・ジェネレーション』(翔泳社)等がある。

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