しかし、希望を捨てる必要はまったくない。コロナウイルスの影響で業績が低迷する企業があるのは確かだが、一方でコロナ禍の影響をあまり受けずに業績が安定している企業もある。さらに、コロナによる環境変化を追い風にしてビジネスチャンスを拡大している企業もある。
また、1990年代の就職氷河期や2008年のリーマンショック後に、一時的にせよ新卒採用を抑制したことで、社員の年齢構成比がアンバランスになってしまい、企業の未来を牽引する人材の育成に支障が出てしまったことを反省する企業も少なくない。ましてや、少子化の影響で将来的に若年者労働人口の減少は避けられないのが確実で、企業は新卒学生の定期採用をそう簡単にはストップできないという事情もある。
いずれにせよ、今はまだ「NNT」(ない内定)だとしても、チャンスは必ずある。そう信じて、希望を捨てずにがんばってほしい。ただし、これからの就活の進め方にはいくつかの注意が必要だ。5つのポイントに絞って説明していきたい。
選択肢を増やす努力を
まずは、「業界や企業に対するこだわりをいったん捨てる」ことを意識してほしい。そしてこれまでの就活を振り返って内定がない現状に反省点がないかどうかを分析してほしい。
エントリーシートに説得力がなかったとか、面接対策ができていなかったなど、自分のサイドに反省点はなかったのか、あるいは志望企業の採用予定枠が少なかったり、採用そのものがストップしたりと、企業側の環境変化で仕方なく結果がでていないのか、その原因はさまざまだろう。
いずれにせよ、現状を打破するためには、志望企業の選択肢を増やす努力が必要だ。これまで自分が志望していた業界ばかりでなく、先入観を持たずに他の業界も見てみることを心がけてほしい。
どうしても入りたかった業界や企業があったとしても、ある意味、初心に帰って、就職できる可能性が高い元気な業界、採用意欲が旺盛な企業を探し出してほしい。まずは、いったんこだわりを捨てること。その意識で仕切り直しをしてほしい。
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