新型コロナ初の「労災認定」決定のポイント 医療従事者以外にも対象となるケースもある

✎ 1〜 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 17
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

世界に目を転じると、新興国や途上国を中心に、依然として感染拡大が継続していて、警戒が必要な状況が続いています。現在は、海外への渡航も制限されていますが、感染状況によっては今後状況も変わり、海外へ行く人も徐々に増えていくことでしょう。業務内容によっては、商談や市場調査、会議、視察、見学など、海外出張の機会も出てくるかもしれません。

国内の事業所で働く労働者が海外出張する場合、基本的に労災保険の対象となります。ただし、すべての疾病が対象となるわけではありません。新型コロナウイルスに関しては、出張先国において明らかに高い感染リスクがあると客観的に認められる場合に、出張業務に内在する危険が具現化したものかどうかを個々の事案に即して判断することになります。

新型コロナウイルスは命をも奪う危険な病気で、国の医療体制によっては、受けられる治療やサービスも大きく異なります。感染リスクを考えると、企業側としても海外出張に関しては慎重な判断が求められることになるでしょう。

なお、海外派遣にあたって労災保険に特別加入する人については、国内労働者に準じて判断するものとされています。

労災認定を受けて休むときの補償

新型コロナウイルスに感染して業務災害と認められた場合、労災保険から手厚い補償を受けることができます。医療機関で治療を受ける場合、病気が治癒するまで「療養補償給付」を受けることができます。

また、療養で働くことができず、給与も支給されない場合は、休業4日目から、休業1日につき給付基礎日額(直近3カ月間の平均賃金)の80%(保険給付60%+特別支給金20%)が支給されます。請求書には、本人、医師および事業主の証明が必要となり、事業所を管轄する労働基準監督署へ提出します。

感染ルートが特定されない場合でも、業務により感染した確実性が高ければ、労災保険給付の対象となることが示されたことから、救済の道が少し広がりました。

労災保険給付の対象となるかどうかの判断は、個別事案ごとの判断となるため、請求書を提出したうえで行われますが、具体的な取り扱いについて不明点があれば、まず所轄の労働基準監督署へ相談されてみるとよいでしょう。

佐佐木 由美子 人事労務コンサルタント/社会保険労務士

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ささき ゆみこ / Yumiko Sasaki

グレース・パートナーズ株式会社 代表取締役。アメリカ企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。著書に『採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本』をはじめ、新聞・雑誌等多方面で活躍。グレース・パートナーズ株式会社の公式サイトはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事