清水建設が決めた現場500カ所ストップの重み

新型コロナで転機を迎える「ゼネコンバブル」

清水建設が請け負った港区の現場。隣接する他社の現場で建設作業が進む中で、閑散としていた(記者撮影)

東京都港区の建設現場。ここでは都内でも有数の再開発が進行中で、複数のゼネコンが超高層ビルの受注を請け負っている。4月14日に訪れると、他社の現場では作業員が動き回り、ショベルカーが土を掘り返す中、清水建設の現場だけが閑散としていた。「資材の搬入などもあり、現場は急に止められないが、数日後には完全閉所になるのではないか」(ゼネコン関係者)。

ゼネコン大手の一角である清水建設は4月13日、都内のある同一現場で従業員3人が新型コロナウイルスに感染し、うち50代の男性1人が亡くなったと発表した。死亡した男性は4月3日に発熱があり、PCR検査後も体調不良のため自宅待機をしていたが、その後、容態が急変したという。新型コロナウイルスの感染が判明したのは亡くなった後のことだった。

原則として全現場の閉所を進める

これを受けて、清水建設は、自社社員や協力会社の安全確保や感染拡大防止のため、政府が発令した緊急事態宣言の対象地域に含まれる約500の現場について、その宣言が終了する(現状は5月6日まで)まで閉所する方針を打ち出した。

清水建設は新型コロナウイルスの拡大防止策を講じるとともに、発注元と協議し支社長の判断で現場の閉所を決めていた。今回はそれを転換し、原則として全現場の閉所を進める方針に切り替えた。ただ、清水建設は「当社の一存だけで現場は止められない。発注者の理解を得られ、認められた現場を閉めていく。(工事中断に伴う金銭の)補償については個別に最大限協議する」としている。

当初は「建設現場は屋外など換気が良いところが大半。新型コロナウイルスの影響はない」(大手ゼネコン)と豪語し、各社は現場での作業を続けていた。だが、4月7日の緊急事態宣言発令を受けて、一部では方針転換が始まっている。

準大手の西松建設が4月8日、中堅の東急建設が4月9日にそれぞれ建設現場閉所の方針を公表。「施工中の現場については、発注者と協議の上、工事中止・現場閉所することを基本方針とした」(西松建設)、「対象地域では原則工事を中断する方針だが、発注者とも協議のうえ状況に応じて柔軟に対応する」(東急建設)としている。

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