エンタメ界、「無観客ライブ」で乗り切れるか

課題は収益化策、出演者らの理解不足も壁に

新型コロナウイルスの感染拡大で、エンタメ市場ではネット配信に活路を求めている(記者撮影)

「音楽業界ではイベントが中止になり、売り上げはゼロどころかマイナスだという声も聞こえる」

安倍晋三首相は3月28日、新型コロナウイルスに関する記者会見で、エンターテインメント市場の落ち込みについて言及した。その言葉通り、エンタメ市場は前代未聞の大打撃を受けている。

ライブ・エンタメ市場は4割減

チケットサイト「ぴあ」傘下のぴあ総研による調査では、3月23日時点で中止・延期などによって売り上げが減少した音楽コンサートやスポーツなどの公演・試合数は8万1000本にのぼった。仮に5月末まで公演や試合の自粛が続くようであれば、現在中止になっているものも含め15万3000本もの公演・試合の中止もしくは延期が見込まれるという。

2018年の音楽コンサートや演劇(スポーツ等は除く)などの公演数は12万8084本となっており、その影響の大きさがうかがえる。中止・延期が5月末まで続くとなれば、最大で3300億円の売り上げ減少が見込まれる。これは2019年の市場規模が推計9000億円とされるライブ・エンタメ市場の4割近くに相当する。

6月以降の公演でも中止となっているものが多くあり、影響はさらに大きくなっている。2020年の歌舞伎界の目玉公演と言われ、5~7月に開催される予定だった「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」なども延期となっている。

当然、各社とも手をこまねいているわけではない。コロナ対策の一つとして注目を集めているのが無観客ライブだ。

ネット配信を活用すれば、ライブ会場に観客を集めなくてもライブを行うことができる。人気アイドルグループの乃木坂46は3月7日、国立代々木競技場第一体育館でのライブを中止。その代わりに、ライブで歌う予定だった演目をライブ配信アプリ「SHOWROOM」で生配信した。「当日は40万人を超えるファンに視聴いただき、(ライブの)疑似体験が好評だった」(SHOWROOM広報担当者)。

そのほかにも人気歌手aikoがYouTubeで無観客ライブを生配信するなど、エンタメ業界全体にネット配信が広まっている。ライブ配信アプリ「17 ライブ」を運営する17 Media Japanでは、2月26日のイベント自粛要請以降、「格闘技などのスポーツからヨガスクールまで、種類を問わず問い合わせが以前とは比較にならないレベルで増えている」(小野裕史社長)という。

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