SHOWROOM「前田裕二」は今何を考えているのか 「脱DeNA」で新メディア企業に生まれ変わる
配信者の行動は想定外だった
――事業開始から6年以上経ちますが、この間を振り返っていかがですか。
思った通りだったことと、そうではないことがある。思った通りだったのは、ファンが少ない配信者でもSHOWROOMの舞台で頑張れば、確実にファンが増えたということだ。それによってSHOWROOM事業を収益化できた。
しかし、想定外だったのが、ファンが増えた配信者がSHOWROOMで発信し続けることに満足できなかったこと。トップユーチューバーのヒカキンさんでもテレビに出演する。自分のパフォーマンスを少しでも多くの人に知ってほしいという人は少なくない。SHOWROOMの次のステップとして、配信者がテレビや映画、雑誌、ファッションショーなどを目指すようになったのは想定外だった。
――テレビ番組のスポンサーとなり、パフォーマーを紹介する番組を放送しています。同時に、テレビのレギュラーMCのオーディションなどもSHOWROOM上で行っています。
配信者がSHOWROOMで配信したいというモチベーションを上げるためには、テレビや映画、ファッションショーなど出演者が憧れる媒体が効果的だ。しかし、SHOWROOMはそれを保有していないため、予算を用意し、スポンサーになっている。
だが、SHOWROOMのビジネスを模倣している競合は多く、今はメディアの奪い合いになっている。売り上げは変わらないのに、メディアへ支払う広告金額が増え、利益率が下がっていく。もう1~2年、メディア枠を奪い合うやり方もあるが、上場を見据えるのであれば、きちんと利益を出していく必要がある。このままでは事業拡大の余地を狭めてしまうと思った。そのため(メディア枠の買い付けを)やめるなら今だなと思った。
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