SHOWROOM「前田裕二」は今何を考えているのか 「脱DeNA」で新メディア企業に生まれ変わる

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――2019年3月末時点で、6億9000万円の累積損失があります。経営の現状をどのように考えていますか。

むしろもっと先行投資したいと思っていた。僕らとしては、テレビなどメディア枠の奪い合いが起きたときに、「もう少しお金を出して踏ん張っていればシェアを他社に奪われないのに」という思いがあった。しかし、DeNA傘下でガバナンスを利かせてきた。損失がDeNAにそのままのっていくこともあり、統制していた。

DeNAの連結子会社から外れたい背景には、このままでは市場機会を逃していく恐怖もあった。今後はもっとアクセルを踏んでいく。新しい投資をやめて、既存事業だけを運営していれば利益は出るが、それでは満足できない。債務超過も今回の資金調達によって解消されている。

テレビの露出を控え、ものづくりに集中

――前田社長は2019年、テレビの露出が非常に多かったように感じます。それはSHOWROOM事業のためだったのですか。

100%意識的にやっている。現在、SHOWROOMという言葉を多くの人が知っている状況になっている。現在のSHOWROOM事業は他社との違いは手数料くらいしかなくなってきている。テレビに出演し、「なぜサービスをやっているのか」と話すことで、世界観を差別化要素として伝えられる。

アライアンスを広げる意味でも利点があった。パートナーを選ぶとき、事業の成長可能性もそうだが、人で選ぶ。そのとき、知名度があれば、「SHOWROOMの前田さんって、こういう未来を描きたいんだよね」という説明コストが低い。

ただ、そういうフェーズは終わったと思っている。今はひたすらものづくりに集中している。オフィスにこもって、新規事業を作っており、「第2創業期」のようだ。最初にSHOWROOMを作ったときのように、眠らずに、帰らずに作るという感じだ。

井上 昌也 東洋経済 記者

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いのうえ まさや / Masaya Inoue

慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同大メディア・コミュニケーション研究所修了。2019年東洋経済新報社に入社。現在はテレビ業界や動画配信、エンタメなどを担当。趣味は演劇鑑賞、スポーツ観戦。

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