SHOWROOM「前田裕二」は今何を考えているのか

「脱DeNA」で新メディア企業に生まれ変わる

――現在の収益源はギフティング(投げ銭)ですが、限界を感じているのでしょうか。

視聴者がギフトを払うのは、配信者を応援したいと思うときだ。配信者がハッピーであれば、視聴者もその気持ちを共有できる。どういうときに出演者がハッピーなのか。SHOWROOMの文脈では「夢に向かって頑張り、それが叶う瞬間」だ。

まえだ・ゆうじ/SHOWROOM代表取締役社長。1987年東京都生まれ。2013年5月にDeNA入社。同年11月にライブ配信事業「SHOWROOM」を立ち上げ、2015年8月にスピンオフでSHOWROOM株式会社を設立(撮影:鈴木紳平)

それはメジャーデビューすることかもしれないし、アニメの声優になることかもしれない、そうした夢が叶うことで、配信者のモチベーションが上がり、配信したいという人が増える。つれて、ユーザー数も増えていく。

しかし、モチベーションを上げることを(テレビ局などの)他社に依存している状況では、どこかで事業が頭打ちになる。短期で売り上げを2倍にするのは簡単だが、ユニコーン(評価額10億ドル以上の未上場企業)になるためにはそれではダメだ。

出演することが憧れとなるメディアにする

――一部の人気芸能人しか参加できない短尺動画メディアを新しくリリースします。これが配信者のモチベーションの1つになるのでしょうか。

新しく作る短尺動画メディアに出ることが憧れとなり、そこに出たことに対して、実家に電話したら両親が泣き崩れるくらいの場所にしたい。

そのために必要なのが作品性や希少性、クローズド(誰でも簡単に出演できないこと)だ。SHOWROOMはオープンな場だが、この短尺動画メディアはクローズドにしていきたい。SHOWROOM上でトップコンテンツと思われるような人ですら、出ることが難しい場にしていく。

日本のIT企業において、AKB・坂道グループや吉本興業、ジャニーズなどトップコンテンツを有する企業と関係を結び、お互いにシナジーを出している会社はほかにない。そうした競争優位性を生かしていく。

――テレビや雑誌を代替するような機能を自分たちで用意するということですか。

まさしくそうだ。しかし、テレビとの大きな違いは時間だ。ゆったりした時間に視聴するのはネットフリックスやテレビだと思う。今回の新サービスは、昼食時に見られるような短いものを想定している。たとえばインスタグラムやフェイスブックを見ている時間に、映像を見てもらえないかと思っている。

テレビは一緒にシナジーを作っていくパートナーだと思っている。新しい短尺動画メディアから生まれた作品の大元がテレビに流れていくこともありうる。今後、テレビや映画は若者との接点を失っていくはずだ。そうした中で、我々は若者がプロである芸能人に触れる最初の接点になりたい。

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