SHOWROOM「前田裕二」は今何を考えているのか 「脱DeNA」で新メディア企業に生まれ変わる

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――電通やニッポン放送などから資金を調達しました。使途は何ですか。

大きく分けて2つある。人材を集めて最強のチームを作ることと、新規事業を作ってマーケティングしていくことだ。

進捗はかなりよく、僕らが最強だなと思う人材が増えている。2019年度中に最強のチーム体制を作り上げる。チームの質に関しては妥協なくやっており、今まで会った中で一番優秀だなと思う人を死ぬ気で口説いてやってもらっている。

ベンチャー企業は、ベンチャーキャピタルなどから投資してもらうケースが多い。しかし、今回(の出資者)はニッポン放送や電通など事業会社がメインだ。SHOWROOMと「血縁関係」になってもらうことで、短期的な利益を度外視してやっていこうという取り組みができる。

ニッポン放送には、資本関係なしではできない強力な音声コンテンツを、新しく作る音声メディアに投入してもらう予定だ。

DeNAグループから出ていく意味

――2019年12月の新規事業発表会で、「2019年度中にDeNAの連結子会社から外れたい」と発言しました。その真意は何ですか。

DeNAグループから抜けることが、DeNAグループにとっても、SHOWROOMにとっても最適解だと考えている。DeNAは現在、時価総額経営を標榜している。DeNAが保有する株の一部を他社に譲渡することで、SHOWROOMと他社との協業シナジーを作り出す。SHOWROOMの企業価値が上がれば、DeNAにもリターンが返ってくる。

DeNAとSHOWROOMの強みは似ている。テクノロジー分野でいいプロダクトを作って改善したり、数字やロジックに強かったりする点だ。そのためDeNAとはシナジーが作りにくかった。一方で、今回新しく資本面で手を組んだ会社はコンテンツ企業が多い。ニッポン放送もジェイ・ストーム(ジャニーズ関連会社)もそうで、コンテンツを作るパワーに長けている。

DeNA経営陣と話していくうちに、「確かに前田の言うように全社の価値を最大化するためには(独立することが)一番いいかもね」とDeNAも思い始めたというところだ。

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