「無観客の競馬」がこんなにも盛り上がった要因 ネット投票だけでも売り上げは前年比1割減

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父ディープインパクトに続く父子での無敗の2冠は1984年シンボリルドルフ・1991年トウカイテイオーに続き2組目。ダービーで無敗のGⅠ3勝目は1992年ミホノブルボン以来28年ぶり2頭目。無敗のダービー馬は15年ぶり11頭目。

春2冠制覇は2015年ドゥラメンテ以来24頭目。まさに記録ずくめのダービーとなった。2018年ワグネリアン以来のダービー2勝目を挙げた福永騎手はウイニングラン後に無観客のスタンドに向かってヘルメットを取って馬上から一礼した。

「お客さんはいなかったけど、画面の向こうでたくさんの人に見ていただいているだろうと思っていた。この馬に騎乗できたことを誇りに思う」。印象に残るシーンだった。「抜け出すと遊んじゃうので追い出しを待ったが、最後まで緩めなかったのはまだまだ集中し切れていないから。遊びながらダービーを勝った。相当優秀な馬」と絶賛した。

矢作芳人調教師は「オーナーから秋は国内に専念して3冠を狙いにいくぞと言われた」と菊花賞挑戦を高らかに宣言した。ディープインパクトに続く史上3頭目の無敗の3冠、史上初の父子2代での無敗の3冠も懸かる。福永騎手は「底が見えないというか、ポテンシャルが高い。楽しみしかない」と締めくくった。牡馬と牝馬に同一年にそろって2冠馬が現れたのは史上5回目。ともに無敗の2冠馬だったのは史上初めてだった。

安田記念はアーモンドアイが断トツ1番人気も…

春の東京競馬場のGⅠシリーズを締めくくったのは6月7日の安田記念。もちろん焦点はアーモンドアイの日本馬最多となる芝GⅠ8勝目がなるか、だった。

ヴィクトリアマイルを制したが、レース後にノーザンファーム天栄に戻らなかったのは初めて。中2週とレース間隔を詰めて出走するのも初めてだった。それでも国枝調教師は「状態面で何も不安なところはない」と自信満々。昨年はスタート直後の不利が響いて3着に敗れたが、ルメール騎手はGⅠ8勝の新記録と昨年のリベンジを狙う「ダブルチャレンジ」と呼んで、こちらも自信を隠さなかった。

唯一、国枝調教師は「不安はスタートだけ」と語っていた。しかし、波乱が待っていた。国枝調教師の悪い予感は的中してしまった。馬の気配は落ち着きもあって絶好に見えた。しかし、ゲートが開く直前に突進して戻った時にゲートが開いたために立ち遅れた。すぐにリカバーしてグランアレグリアとインディチャンプの直後につけたが、勝負どころでの反応は一息だった。

直線、ルメール騎手は追い出しを待っているように見えたが、いつものギアチェンジは見られなかった。抜け出したグランアレグリアは捕らえられず、何とかインディチャンプをかわして2着を確保するのが精いっぱい。ルメール騎手は「いつもの脚がなかった。今のアーモンドアイは2000mぐらいがベスト。マイルは忙しかった」と振り返った。

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