ここからは、競馬である。競馬予想でも、前回の吉崎氏の原稿は「オバゼキのオークス理論」などと銘打って、私にほめ殺しをしてきた。そこで「喧嘩腰」の反論をしたのだが、「なーんだ、結論は大体一緒だね」、と軽く受け止められてしまった。そこで、今回こそは「予想対決」をしたい。
「オバゼキのダービー理論」で馬単1点勝負
今年のダービー(5月31日、東京競馬場11R、距離2400メートル)は予想する必要がない。皐月賞(4月19日)の1、2着馬(コントレイルとサリオス、後述)が「抜けた実力」で、2頭がそろって参戦する。しかも、皐月賞での1、2着は着差こそ半馬身とは言え、内容には差があったから、順番もそのままでよい。吉崎氏がほめ殺しをした「オバゼキのオークス理論」が、今年はダービーに綺麗に適用できる。
問題は買い方である。
私は、コントレイル(3枠5番)からサリオス(6枠12番)への馬単1点。
以前にも書いたが、私は、馬券は1点しか買わない。「押さえ馬券」を買うのは非合理的だからである。なぜなら、もっとも自信のある組み合わせと2番目の組み合わせがあるのであれば、長期的なリターン(回収率)を高めるのがギャンブルの目的だとすると、一番自信のある馬券をその分倍額買ったほうが、主観的な期待値が上がるからである。
しかし、人々は非合理的で、行動経済学の罠にはまっている。だから、必ず押さえ馬券を無駄に買う。たとえば、このダービーなら、サリオス1着、コントレイル2着の「裏の馬単の馬券」を押さえる。押さえがくれば、「ああ保険をかけておいてよかった。当たった。かろうじてひっかけた」、と喜び、本線がくれば、うれしくて無駄に押さえたことも「まあ良いや、当たったから!」と気にしない。
馬鹿である。だから、私は馬単1点。裏は押さえない。
実際上のメリットもある。馬券は「ノイズトレーダー」が外れ馬券を買ってくれるから、その分配当が上がって、儲かる。だから、ノイズトレーダーが買うようなレースを狙うというのが鉄則だ。たとえば代表的なレースが年末の有馬記念だが、ダービーもそのひとつである。にわかファンが買ってくれるからだ。
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