実は私は、競馬は勝ち馬を決める能力検定というスポーツであり、強い種と牝馬を選んで残すためのもの、だと思っている。2着や3着の組み合わせを当てるのはゲームに過ぎず、競馬の王道からは外れる。だから、予想も1着だけ、馬券も単勝だけ、というのが一番の主張である。
だが、儲けるためには、これではだめなのだ。プロの予想家も、還元率が一番低い3連単で生計を立てているのには理由がある。前述の押さえ馬券だ。
組み合わせが複雑であればあるほど「かすってはずれ」、というときに人々は激しく後悔する。行動経済学の後悔理論、つまり「人間は後悔を最小限にするように行動する」というモデルに当てはまる。だから無駄に押さえ馬券を買う。そうすると、本命馬券が割安になるのである。無駄な押さえは点数から行くと大穴が多い。なので、本命が相対的に売り上げの割合が減少し、配当の妙味が出るのだ。
したがって、私も、ダービーは単勝でもなく、馬連1点でもなく、みんな押さえる馬単の裏も買わない、馬単1点勝負をするのだ。皆さん真似しないでください。オッズが下がるので。
山崎元氏はワーケア、吉崎達彦氏はサリオス本命
【山崎元氏の予想】競馬ファンは「次のダービー馬を見たい!」と思うだけで1年生きる理由を得る。無観客でもダービーがあるのは、ありがたい。
さて、競馬の着順は小さな理由で変化する。馬は「走るサイコロ」だ。合理性から見た競馬は100%を超えると思われる回収率の馬券に分散投資することが正しい。オッズが全馬同じなら、サリオスをマークし易い枠に入ったこともあり、コントレイルを買うのが無難だ。
しかし、オッズは同じではない。今回妙味があると筆者が思うのは、レース間隔を空けながらクリストフ・ルメール騎手が大切に乗っていて、しかも好枠を引いたワーケア(2枠3番)だ。ジワジワ伸びての好勝負を期待する。コントレイルとの馬券を、券種を分散して買うのが本線だ。ハーツクライ産駒同士のサリオスとも少々。残念ながら、政府からの10万円はまだ案内すら届いていないから、大勝負はしない。
【吉崎達彦氏の予想】5月24日のオークスでは4戦無敗のクラシック2冠牝馬デアリングタクトが誕生した。さすればダービーでも、コントレイルが無敗のまま5連勝で2冠を得る、というのがいかにもドラマとなる。
しかし、天邪鬼な筆者はもうひとひねりしてみたくなる。オークスでは18頭中8頭も出走したディープ産駒が、3着以内に1頭も入らなかった。ダービーでも5頭が出走するが、「府中の芝はディープの天下」になるとは限らない。
ディープインパクトが国内G1で唯一敗れたのは2005年の有馬記念。負けた相手はハーツクライであった。山崎氏も触れているように、サリオスはそのハーツ産駒。こっちだね、やっぱり。
皐月賞では半馬身差でコントレイルに届かなかったが、「敗戦は師なり」ともいう。敢えて黒星がひとつある方を狙いたい。コントレイルは今が旬だろう。だが、サリオスはこれからもっと強くなる馬。単勝で。
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