太田光が「テレビ受けする発言あえて避ける」訳

ネット世論とは一線画す「言論人」としての顔

太田光が「テレビ受け」「大衆受け」するコメントをあえてしない理由とは?(写真:Sports Nippon/getty)

日曜朝に放送されている情報バラエティー番組『サンデー・ジャポン』(TBS系)が好調だ。新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛要請の影響で、報道番組や情報番組の視聴率は軒並み上がっている。『サンデー・ジャポン』も最近は15%を超える高い視聴率を維持している。

MCが芸人の爆笑問題ということもあり、情報番組の中ではややバラエティー色が強く、個性豊かなコメンテーターが生放送で最新の時事ネタについて忖度なしの本音をぶつけ合うところが面白い。

その中でも特筆すべきは、MCの太田光の存在感である。もっとお笑い要素の強いバラエティー番組では、過激なボケを放ったり、客席に飛び込んで暴れ回ったりすることもあるが、この番組で見せる姿はひと味違う。

相方の田中裕二が進行役に徹するのに対して、太田はコメンテーターのような役回りを引き受けていて、ときに笑いを交えながらも自分の意見をはっきり主張する。その切り口は、ほかの芸人やタレントには見られない独自のものだ。

異様なまでに「純粋」な太田の発言

芸能人がコメンテーターとして情報番組に出るときには、世間で信じられている一定の常識や正義というものを前提にして、その枠の中で自分なりの視点に立ってコメントをする、というのが普通だ。

だが、太田の発言には、それを超えた異様なまでの「純粋さ」が感じられることがある。もちろん、彼もテレビで話すときにはテレビのルールを意識していて、それを露骨にはみ出すようなことはない。

ただ、彼の発する言葉はすべて「自分はこう思う」という確固たる信念のみに裏打ちされていて、既存の正義や倫理を根拠に置かないことで一貫しているように見える。そこが特別なのだ。

そんな太田が本当に言いたいことは、テレビの限られた時間の中では伝えられないことも多い。ナインティナインの岡村隆史のラジオでの失言問題など、特に太田が言葉を尽くして丁寧に語りたい事件があった際には、『サンデー・ジャポン』でコメントをするだけではなく、自身のラジオ番組『JUNK 爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)で、長い時間をかけて丁寧に持論を述べる。

自分が思っていることを伝えようとすることに関して、これほどの情熱を持っている人は芸人の中でも珍しい。

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