コロナ禍で再確認された「男女格差」の根本問題 女性が"自然に働ける"会社がやっていること

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「女性が働き続けるためには家族の理解がいります。また、全社で取り組んでいるノー残業デーについて、取り組み当初、できた時間の使い道に困っているという男性社員もいたのですが、アンケートを通して家族と話すことで、家族が関わってほしいと感じていることが見えてよかったという人もいました」と、担当者は一定の効果が見られたと評価する。

女性管理職倍増のオリックスの“仕掛け”

日本企業の中でいち早く女性活躍のための道を切り開いてきたのがオリックスグループだ。男女雇用機会均等法施行より早い1982年には女性総合職の採用を開始し、働き続けたいと願う女性社員のニーズに合わせてさまざまな策を打ってきた。

結果、産育休からの復帰者が増え、ワーキングマザー率は劇的に伸びた。2007年には女性総合職を対象としたフォーラムを開催。ダイバーシティー、女性活躍の担い手となる人材の育成を行ってきた。2005年には産休前、育休中の社員に向けての研修「ORIX Group Mom」を始め、同じ境遇の社員同士の交流や、先輩社員から復帰後1年のスケジュール、仕事と家事の両立についての話を聞く会を設けてきた。

続いて始めたのが女性だけでなく、パートナーも含めて仕事と家庭の両立について考える研修会。画期的だったのは他社に勤めるパートナーの参加も受け付けた点だ。

「外部講師を招いて研修を行っています。講師から示される家事タスク表を使って分担比率がどのくらいになっているのかを可視化。子育てしながら働き続けるためにはお互いにどんな協力をしたらいいのかを考える機会にしてもらっています。夫が自社、妻が他社社員というパターンの参加もあります。妻を通してワーママ部下の悩みや苦労を知ることはマネジメントに生かせる部分もあります」

そう話すのは、グループ人事部人材開発チーム課長代理の佐々木春香氏。家庭を巻き込んでの研修と意欲向上のためのプログラムの両輪を回した結果、10年でワーキングマザーの数は約3倍に飛躍し、女性の管理職数もグループ全体で11.6%から20.6%へと倍増を果たしている。

こうした研修制度をはじめ、定時を17時に早めたことも子育て世代のモチベーションを上げる要因となったと人事担当者は話す。

「自分だけが時短となると周りに気も使いますが、全員がそうならば気兼ねがなくなります」

なによりもモチベーション維持につながったのが、給与明細に“傷”がつかないことだという。

時短の場合、給与明細に早退した記録が残る。「17時退社でもマイナスが付かないことが気持ちを上向きにしている」(佐々木氏)。

退社時間が早まったことで社員全員が時間の有効活用を心がけるようになり、結果として、ダラダラ過ごす時間が減るという副産物まで生まれた。

育休復帰率の上昇はすでに見られるようになった日本。家族を巻き込む「巻き込み型研修」と、ダラダラとした時間を減らすなど、全社を挙げての「ムダの削減」。

コロナウイルスの影響で今までどおりに働くことはできなくなり、もっと効率的で合理的な働き方への関心が、男女ともに高まりつつある。今回紹介したような先進企業の事例も参考に取り入れ、男女ともに働きやすい職場への改善につなげてほしい。

宮本 さおり フリーランス記者

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みやもと さおり / Saori Miyamoto

地方紙記者を経てフリーランス記者に。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。

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