コロナ禍で再確認された「男女格差」の根本問題

女性が"自然に働ける"会社がやっていること

現在公表されているジェンダーギャップ指数の項目別の数字を見ても、日本は教育分野のポイントは0.983ポイント。数値が1に近いほど平等率が高い。順位としては世界91位だが、それでもほぼ平等に教育が与えられているということになる。

だが卒業した途端、その平等感にゆらぎが生まれる。

「学生までは男女隔たりなく同じゼミで学んでいたのに、会社に入り、ライフイベントがあると女性だけが苦しそう。差を感じます」と漏らすのは大手企業で働く入社7年目の男性だ。育休復帰後に家庭との両立に苦戦し、辞めていく女性を見るたびに不平等な気がすると話す。

「産後うつの話も割と身近です。昔のように会社が生涯、生活を保証してくれるわけでもない。禄高(収入)が年々上がる時代でもない。生活を安定させていくには、夫婦2馬力で働いていくのが妥当です」

妻にもしっかり働いてもらうためには、夫側も家事・育児を分担する必要があると、第2子が生まれたのを機に1年間の育休を取得した。だが、こういう男性はまだ珍しい。いまだに家事・育児に関わる時間では女性が圧倒的に高い状態の日本。女性たちが頑張ればなんとかなるという問題でもない。

会社主導で活躍を後押し

政治の世界と同様、企業の要職に女性が少ないことも、男女格差が縮まらない理由となっている。

今年2月に開催された女性活躍に関する「新世代エイジョカレッジサミット」(エイカレ)。特別講演に立った立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏は、「(女性の中に)管理職にしたい人材がいないという言葉を聞くが、では男性はみな資質があって管理職に登用されているのでしょうか? (管理職)になってから育てられる人もいるのでは」と疑問を投げかけた。

日本企業の管理職に、極端に女性が少ないのは事実だ。もっと管理職になる女性が増えることが望ましいという考えに異論を唱える人は大分減っているだろう。責任あるポジションにつく女性が増えれば、それだけ女性が働きやすくなる環境、また、女性視点を経営により反映できるということは言うまでもないことだ。

しかし、ここで忘れてはいけないことがある。そもそも、管理職になることだけが“活躍”と思う女性ばかりではない。ワークライフバランスが盛んに叫ばれるようになり、子育てしつつ、仕事も辞めることなく続けていくことを望む女性は増えた。育児と家庭を横に置き、がむしゃらに上り詰めてきたような、かつての女性活躍のロールモデルに違和感を感じる人たちも少なくないのだ。

こうした女性の間では、管理職ではない形で職場の中で落ち着き、家庭も大事にしながら働きたい、そんな価値観も当然のように存在している。

思えば、企業内の男性にも、そうした人はもともといたはずで、昇進して管理職になることを目指す人ばかりではない。管理職になって出世を目指す人もいれば、専門職として得意分野を究める人、そこまでハードに働こうとは思わない人もいる。女性の場合も同様で、どう働きたいかは大きく個人差がある。

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