外国人母・発達障害・性的少数「26歳」の壮絶半生

いわれもない「差別」をひたすら受けてきた

LGBTにとっても、日本は生きづらい社会だ。幼いころから、男の子同士が「お前ホモかよ!」とからかい合う、いわゆる「ホモネタ」を聞くたびに身が縮む思いがした。男子が少年漫画に夢中になる一方、女子と一緒にBL小説を読んで盛り上がっていた中学生のころまではまだ無邪気だったが、高校生のときに初めて男性と付き合い、自分がゲイであることを自覚すると、同時に罪悪感が芽生えたという。

専門学校では、教師から唐突に「お前、バイ(バイセクシュアル)だろ」と言われたことがある。ちょうど同性愛であることをアウティングされた大学生が自殺した「一橋大学アウティング事件」が起きたころだ。自分も暴露されるのではという恐怖から、話し方や趣味を変え、“男らしく”振る舞うようにした。

性的虐待、貧乏、売春、非正規差別…

ショウタさんは生い立ちも複雑だ。

ショウタさんは本当の父親を知らない。自分の父親は妹たちの父親とは違うことを、大人になってから母親に聞いた。養父は酒癖が悪く、母親に暴力をふるったという。さらにショウタさんに性的虐待を加えた。

「夜、母親に拒絶されて僕のところに来たんです。最後まではされなかったけど、こすりつけたり、手に握らせたり……」。小学校に上がる前、母親と幼い妹たちと一緒にこの男のもとから逃げるように引っ越ししたことを覚えている。

母親には生活保護を利用することへのスティグマ(社会的な恥辱感)があったのだろう。子どもたちが幼かった一時期を除き、生活保護は受けていない。だから、家庭はとことん貧しかった。ショウタさんはよく給食費が払えなくなった。中学生のころから、仕事で帰りが遅い母親に代わって夕飯作りはショウタさんの役割に。高校に入ってからは、アルバイトを掛け持ちし、バイト先の1つのスーパーから野菜くずや見切り品をもらっては家計を助けた。それでも、ガスや電気はしょっちゅう止められたという。

学校を卒業した後の仕事はなかなか長続きしなかった。初めて就職した大手アパレル会社では店舗で販売を担当。外国人客が多い店だったので英語のスキルが生きたが、上司からの指示を忘れてしまうことも多く、毎日にように叱責された。建築関係の会社では毎月80時間を超える残業があり、体がもたなかった。いずれも1年もたずに退職したという。

食いつめた挙げ句、ほんの一時期、男性を相手にした売春で糊口をしのいだり、数カ月間、生活保護を利用したりしたこともある。

その後、初めて障害者枠で就職。今は運輸関連の会社で契約社員として働いている。ただ、今回のコロナ禍で、正社員は補償ありの休業なのに対し、契約社員は「無給の欠勤」か「感染リスクを負いながらの出勤」の2択を迫られたという、典型的な非正規差別に遭った。収入は半減、4月の手取り額は6万円ほどだった。

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