LINE MUSIC、「全曲無料でフル再生」の爆発力 大物アーティスト参戦で巣ごもりにもはまる

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SpotifyやAWAなどの音楽ファンが集まるアプリと異なり、LINE MUSICは若いライトユーザーが中心。当初は無料期間終了後にネット上で「ケチ」「なぜ有料なの」と批判されたほどだ(記者撮影)

音楽業界にとってまさに挑戦的だった━━。

2020年1月。音楽サブスクリプション(定額課金)サービスの「LINE MUSIC」は、独自のフリーミアムモデルをスタートさせた。フリーミアムとは無料プランと有料プランを組み合わせたサービスのこと。それまで無料ユーザーが好きな曲を選んで聴けるのは30秒間に限られていたが、フルコーラスでの再生が可能になった。

LINE MUSICで聴ける楽曲は現在6200万曲だ。これが各曲につき、月1回フル再生できる。アプリのダウンロードだけで利用でき、クレジットカードの登録も不要。広告が表示されることもない。多くのユーザーは、「いろいろな曲が聴けるようになって嬉しい」といったシンプルな反応かもしれないが、業界では前代未聞の取り組みである。

なぜこのタイミングで無料フル再生に乗り出したのか。背景には他社サービスと大きく異なる、LINE MUSICならではの事情と危機感があった。

有料会員数は160万人まで積み上げたが…

LINE MUSICのスタートは2015年6月。LINE、ソニー・ミュージックエンタテインメント、エイベックス・デジタルが出資し、のちにユニバーサルミュージックが参加した。同年5月に開始した「AWA(アワ)」とともに、国内では先駆けの存在だ。LINEの「友だち」とトーク画面で音楽をシェアできるといった独自の楽しみ方をアピールし、開始1カ月半で620万ダウンロードと好調なスタートを切った。

以後も会員はメッセージアプリの強みを生かした作戦で積み上げている。2016年2月に、LINEのプロフィール画面で好きな曲をBGMに設定できる機能を追加すると、若年層のユーザーはこぞって楽しんだ。自己表現だったり、友人とのコミュニケーションのきっかけになったりしている(現在は800万人以上設定)。その後も、無料通話の呼出音や着信音に設定する「LINE着うた」や、友だちとのトーク画面にBGMを設定できる機能を追加。音楽を聴いたり、設定の際にLINE MUSICに触れてもらったりしたことで、そこから会員登録に進む強力な導線を活用してきた。

現在の有料会員数は約160万人である、そのうち50%のユーザーが10代後半から20代前半と非常に若い。月当たりのアクティブユーザー数は1300万(2020年1月)。有料会員からの収入を示す決済高も毎四半期数字を伸ばしている。国内のサブスク単独サービスの会員数では、首位のアップルミュージックに次ぐ2位とみられ、順調に成長を遂げているように映る。

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