コロナ禍「日光を浴びない」という意外な大問題 「コロナ疲れ」にならないための朝の過ごし方

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心身の健康を維持するには、「朝時間」の行動が大切だ(写真:Pangaea/PIXTA)
在宅勤務が続き、そのままゴールデンウィークに突入して、また在宅勤務のループでなんだか気分がすぐれない人もいるのではないだろうか。有名人が罹患したことや命を落としたことをニュースで繰り返し目にしたり、自分や家族が感染しないようつねに気が張っている……初めて経験するこの厳しい環境下では、不安な気持ちになりがちだ。こうした中で、「健康なメンタル」を維持するにはどうしたらいいか。『最強の睡眠 世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった』の著者で、睡眠研究家の西川ユカコ氏がオススメの朝の過ごし方を紹介する。

何より大切なのは「太陽の光」

諸説ありますが、私たちの祖先であるホモサピエンスが誕生したのは、約20万〜30万年も前のことだと言われています。彼らは日の出とともに起き、日の入りとともに眠る生活をしていました。朝日が昇ればそれを合図に起床し、日中は狩猟や採取に出掛け(農耕が始まってからは田畑にくり出し)、夕方になって日が傾いてきたら住居に戻ります。かつての人類はもっぱら太陽の日差しを「明かり」として生活してきました。

暗くなってからの行動は、せいぜい月明かりや松明(たいまつ)頼み。少し文明が発達してきたところで、提灯(ちょうちん)やランプを用いる程度でした。こうした環境で何十万年も暮らしてきたからこそ、私たちの体は、日中に太陽の日差しをたっぷりと浴び、夜は薄暗い中で過ごすことによって、細胞のすべてが最高の状態で働いてくれるようにできています。

一方で、エジソンが白熱電球を発明してからまだ150年もたっていません。エジソンが白熱球を発明したことで、お金さえかければ、朝から晩まで室内を人工的に明るくできるようになりました。照明のおかげで、朝から晩まで24時間明るい場所で過ごせるようになったのです。

(出典:ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー著『時間術大全』をもとに作成)

私たちは生まれたときから照明のもとで過ごしているので、エジソンが生きていた時代は遠い昔のように感じてしまいますが、長い人類の歴史を考えたら、また私たちの遺伝子からしたら、つい最近のことです。なので、私たちの遺伝子からするとニューカマーである「照明」での生活に、私たちの体はまだ適応できていません。

生まれたときから照明のもとで暮らしているお陰で、多くの現代人が「自分は十分に日差しを浴びている」と錯覚してしまっています。しかし、私たちが十分に浴びているのは「照明」であって、「日光」ではありません。在宅生活の今ですと、ほぼ日光を浴びていない、という人もいるのではないでしょうか。

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