コロナ禍「日光を浴びない」という意外な大問題 「コロナ疲れ」にならないための朝の過ごし方
何より大切なのは「太陽の光」
諸説ありますが、私たちの祖先であるホモサピエンスが誕生したのは、約20万〜30万年も前のことだと言われています。彼らは日の出とともに起き、日の入りとともに眠る生活をしていました。朝日が昇ればそれを合図に起床し、日中は狩猟や採取に出掛け(農耕が始まってからは田畑にくり出し)、夕方になって日が傾いてきたら住居に戻ります。かつての人類はもっぱら太陽の日差しを「明かり」として生活してきました。
暗くなってからの行動は、せいぜい月明かりや松明(たいまつ)頼み。少し文明が発達してきたところで、提灯(ちょうちん)やランプを用いる程度でした。こうした環境で何十万年も暮らしてきたからこそ、私たちの体は、日中に太陽の日差しをたっぷりと浴び、夜は薄暗い中で過ごすことによって、細胞のすべてが最高の状態で働いてくれるようにできています。
一方で、エジソンが白熱電球を発明してからまだ150年もたっていません。エジソンが白熱球を発明したことで、お金さえかければ、朝から晩まで室内を人工的に明るくできるようになりました。照明のおかげで、朝から晩まで24時間明るい場所で過ごせるようになったのです。
私たちは生まれたときから照明のもとで過ごしているので、エジソンが生きていた時代は遠い昔のように感じてしまいますが、長い人類の歴史を考えたら、また私たちの遺伝子からしたら、つい最近のことです。なので、私たちの遺伝子からするとニューカマーである「照明」での生活に、私たちの体はまだ適応できていません。
生まれたときから照明のもとで暮らしているお陰で、多くの現代人が「自分は十分に日差しを浴びている」と錯覚してしまっています。しかし、私たちが十分に浴びているのは「照明」であって、「日光」ではありません。在宅生活の今ですと、ほぼ日光を浴びていない、という人もいるのではないでしょうか。
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